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EURO2016 8年前

フランス、カンテ復帰で4-3-3採用か。世界王者・ドイツとのリターンマッチへ

text by 小川由紀子 photo by Getty Images

底力のあるドイツを相手に、ブラジルW杯の雪辱を果たせるか

グリーズマンとパイエによる“儀式”は優勝の呼び水になるか
グリーズマンとパイエによる“儀式”は優勝の呼び水になるか【写真:Getty Images】

 準決勝戦の相手ドイツは、マリオ・ゴメスがハムストリングを痛めて今大会から離脱。ケディラは準々決勝のイタリア戦の途中に左の股関節をいためて前半戦半ばで退場、代わって出場したシュヴァインシュタイガーも、昨季は怪我でプレー時間も少なく、本調子ではない上に右膝の靭帯を痛めたまま戦っていた。2人はフランス戦も100%フィットした状態でプレーするのは厳しそうだ。加えてDFフンメルスは累積で出場停止と、主力選手が数人不在という状況が予想される。

「それでもドイツはドイツ。現世界王者だ」とデシャン監督は警戒している。底力のあるチームだけに、どんな状況にあろうとも、決して油断はできない相手だ。

 準々決勝の翌日の会見でジルーは「開幕戦のあとくらいから、選手たちはみな試合の前後にはよく寝付けないようになった。成し遂げようとしていることの偉大さを意識すると、一瞬たりとも逃さずにこの瞬間を味わい尽くしたい、という気持ちで眠れなかった」と、チームの様子を語っていた。

 そして「アイスランド戦の勝利は素晴らしかった。でも、そこを超えて次の段階に進むんだ、ということをしっかり認識しないといけない」と、彼らがすでにドイツ戦に照準を合わせていることも強調した。

 ようやくフランスが軌道に乗り出したタイミングでのドイツ戦には、好勝負が期待できそうだ。98年のワールドカップでは、GKバルテスの坊主頭にブランがキスするのが、勝利の儀式になっていた。

 そして今回は、ゴールを決めたグリーズマンの足にパイエがキスする、という新しい儀式が誕生した。そんな、サイドストーリー的にも優勝に向かっている感じがするホスト国のレ・ブルーだが、そういうときこそドイツの鉄槌に要注意、という声が、はるかブラジルの方から聞こえてきそうだ。

(取材・文:小川由紀子【パリ】)

【了】

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