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浅野拓磨、移籍決定もアーセナルではプレー不可能か。大きな壁となる英国の厳格な労働ビザ基準

浅野拓磨のアーセナル移籍が決まった。ただし、浅野は乗り越えるべき大きな壁がある。それは労働ビザの発給だ。浅野の場合、特例がなければ発給は難しい状況にある。多くの日本人の壁となってきたこの英国の基準はどのようなものなのか。(文:ダン・オロウィッツ)

text by ダン・オロウィッツ photo by Getty Images

問題は代表キャップ数と日本のFIFAランキング。現状では……

浅野拓磨
浅野拓磨【写真:Getty Images】

 日曜(3日)午後、サンフレッチェ広島の浅野拓磨がプレミアリーグに挑戦する9人目の日本人選手となることが決まった。レスターの岡崎慎司やサウサンプトンの吉田麻也、元マンチェスター・ユナイテッドの香川真司らの選手たちに続くことになる。

 だが、浅野はエミレーツ・スタジアムのピッチに足を踏み入れる前に、EU圏外から加入する外国人選手を対象とした、労働ビザ発給に関するプレミアリーグの新規定に定められた厳格な審査に臨まなければならない。

 イングランドの選手たちにより多くの出場機会を提供することを目的としてイングランドサッカー協会(FA)が昨夏導入した規定により、プレミアリーグのクラブがEU外の選手たちを獲得するのは従来以上に困難となりつつある。

 選手の労働ビザ取得申請をFAが自動的に承認するためには、その選手が代表チームでの公式戦に一定以上の割合で出場していなければならない。例えばW杯やアジアカップなどの予選および本戦といった試合だ。

 その割合は選手の出身国によって異なり、たとえば過去2年間のFIFA世界ランキングで通算10位以内の国なら30%の試合出場、31位から50位までの国なら75%の試合出場となる。

 つまり、2年間の通算順位が53位となっている日本の選手は、FAから自動的に承認を得ることはできないということだ。さらに、たとえ日本のランキングがもっと上だったとしても、東アジアカップやキリンカップで記録した浅野の代表キャップだけでは承認を得るのにとても十分なものではない。

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