ビッグセーブは最後の手段。ドイツが優秀な守護神を輩出し続ける理由。GK大国の理論的整理

2016年09月16日(Fri)10時19分配信

text by 中野吉之伴 photo Getty Images
Tags: , , , , , , , , ,

メディアで絶賛されたノイアーのプレー

2014ブラジルW杯アルジェリア戦でノイアーが見せた飛び出しは、世界中のメディアで話題になった
2014ブラジルW杯アルジェリア戦でノイアーが見せた飛び出しは、世界中のメディアで話題になった【写真:Getty Images】

 筆者の長男はドイツのとある町クラブでプレーをしている。よく試合を見に行くが、小学校低学年でもGKの標準レベルが本当に高い。どんな小さな子供でもすでに「GK」のプレーをしているのだ。憧れのポジションでプレーする彼らのやる気は当然マックス。だからこのポジションに対する本気度は違う。

 プロ選手のプレーぶりを見て自分なりに立ち振る舞い、ボールに向かう姿勢、ニアコースを切るポジショニングを真似ようとする。コースを狙ったシュートを横っ飛びでファインセーブというプロ顔負けのシーンが見られることもあるわけだ。

 とはいえそうした土壌があるだけでは才能の卵は育たない。彼らの才能を引き出すために指導者の存在は欠かせないはずだ。GKに求められる本質的なプレーとは何か? 役割とは? どんなプレーがGKのミスなのか? 改善点はどこにあるのか? そしてそのためのトレーニングに必要なものとは? といった様々な点を掘り下げていかなければならない。

 2014年W杯でドイツが優勝した時、GKマヌエル・ノイアーのプレーぶりがメディアでは絶賛された。守備範囲はペナルティエリア内にとどまらず、何度も勇猛果敢に飛び出し、卓越した足元の技術でビルドアップにも絡んでいく。

 特に鮮明に思い出されるのは決勝トーナメント1回戦のアルジェリア戦だろう。この試合では高い位置から守備をしようとするドイツに対して、アルジェリアはその裏スペースに危険なパスを何度も送り込んだ。何度も大ピンチになりそうなシーンはあった。だがその先にはいつもノイアーがいた。ノイアーがいなければできない戦い方だったし、負けていてもおかしくない試合ではあった。“新時代のGK”と称されるのも理解はできる。

1 2 3 4

新着記事

↑top