フットボールチャンネル

清武、2試合出場なしも失っていない信頼。求められる試合を動かす役割【現地記者の目】

text by ロシオ・ゲバラ photo by Getty Images

”賢い戦い方”で1ポイントを手に入れたCL初戦

ホルヘ・サンパオリ
守備的な戦いで勝ち点1を手に入れたサンパオリ監督【写真:Getty Images】

 チャンピオンズリーグの初戦となったユベントス戦では、清武は招集メンバーに復帰し、トリノへ帯同した19名のメンバーの中から外される最後の1人にもならなかった(サンパオリが外したのはベン・イェデル)。

 だが、この試合で必要とされていたのは別のプラン、別の選手たちだった。ユーベの力に対抗するため、よりフィジカルの強い選手で中盤を強化する必要があった。純粋なFWを置かず攻撃を放棄したセビージャは、マリオ・レミナ、パトリス・エブラ、クワドゥー・アサモア、パウロ・ディバラらに対抗するため、ステベン・エヌゾンジ、ビセンテ・イボーラ、マティアス・クラネビッテルの3人を中央に配置した。

 このセビージャの賭けは奏功した。これまでと異なるサッカーでユーベを止めることに成功し、グループで最も厳しいスタジアムでの最も厳しい相手との試合で1ポイントを手に入れて初戦を終えることができたのだ。グループの今後の展開によって、計り知れない価値を持つことになるかもしれない1ポイントだ。

 サンパオリ率いるセビージャは、ユベントス戦ではスタイルが軌道から逸れたとはいえ、ここまで賢い戦い方をしてきた。リーガでは9ポイント中7ポイントを獲得し、ユベントス・スタジアムでも1ポイントを獲得したという数字がそのことを物語っている。

 アッレグリのチームとの試合で清武が出場機会を得られなかったのは、たとえばエスパニョール戦のような、魅力的な攻撃志向の戦い方が提示されなかったためだ。今回は別のタイプの試合だった。だが、これから日程は詰まってくるし、清武の時間もすぐにやってくるだろう。相手が変われば、必要なものも戦い方も変わってくる。

1 2 3

KANZENからのお知らせ

scroll top