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代表 8年前

地獄から生還した韓国。窮地を救った指揮官の采配とエース・ソンフンミンの輝き

text by キム・ドンヒョン photo by Getty Images

10人になるも逃げ切り。指揮官も内容に満足

ソン・フンミン
ソン・フンミン【写真:Getty Images】

 歎声が再び沸き上がったのは、その2分後のことだった。再びキム・シヌクの頭から落とされたボールがキ・ソンヨンの足に止まる。その左側でソン・フンミンがDFラインの裏を俊敏にとると、キ・ソンヨンがそこにボールを入れる。一瞬だった。ソン・フンミンは自分のスピードをそのまま活かし、得意とする右足でキーパーの逆に突き刺さした。鳥肌が立つほど美しいゴールが生まれたのだ。

 一気に波に乗った韓国はその後もキム・シヌクとソン・フンミンのコンビを活かしてチャンスを作っていく。が、後半21分、アクシデントが起こった。前半、イエローカードを一枚もらっていたホン・ジョンホが再びカードをもらい、退場も。シュティーリケ監督はク・ジャチョルを下げてカク・テヒを投入し、守備ラインを保持した。

 結局試合は最後まで1点差を守り切った韓国が制す。苦戦はしたものの、ホームで貴重な勝ち点3点を得て、イランへと向かうことになった。

 記者会見に出席したシュティーリケ監督は「試合の内容に満足する」と選手たち称えた。

「20分を残して正直苦戦した。数的不利な状況でもあったが、勝ち越したのは称えたい。前半が終わってロッカールームで選手たちに『勝てるから自信を持て』と言ったが、就任後初めての逆転勝利だ。イラン遠征直前のタイミングで選手たちが自信を持てることはポジティブ。

 最初の15分はファンタスティックだった。キ・ソンヨンのゴールだけじゃなく、すべてのプレーが望む通りに流れた。同点ゴールを許したあと、10分間混乱な状況もあったが、直後にペースを戻したし、逆転に成功した。難しい試合だったのは確かだが、方向の転換など、全体的にサイドの活用もうまくできたことに満足する」

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