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代表 8年前

ピケ、代表引退宣言の発端。スペイン代表の複雑さ。一部サポーターとの埋まらない溝

text by 山本美智子 photo by Rafa Huerta, Getty Images

スペイン代表とレアル・マドリーのサポーター層

FCバルセロナでプレーするジェラール・ピケ
FCバルセロナでプレーするジェラール・ピケ【写真:Rafa Huerta】

 加えて、ジェラール・ピケは、アンチレアル・マドリーであることを公言している。そして、レアル・マドリーサポーターは、かなりの確率でスペイン代表サポーターとかぶる。これは、FCバルセロナとは反対の現象だ。

 FCバルセロナのファンには、バルサというチームは応援するが、代表には興味がないという声も多い。とはいえ、ここにある両者の根本は同じだと思う。なぜなら、歴史的に代表には(当時の独裁者の意向も反映され)、レアルの選手が多く選出されていたからだ。だからこそ、レアルファンは代表戦を見るのが好きで、その逆もまた真なりということなのだろう。

 ところが、ここ10年近く、その図式が通じなくなった。ビッグチームがどこも外国人選手を目玉にしたチーム作りを行なっているためだ。今でもスペインでは、代表招集がある度に、今回はレアルからの招集が多かった、いや、バルサだ、といった記事が必ず掲載される。

 そして、ここで話は戻るのだが、語弊を恐れずに言えば、ピケへのブーイングはレアル・マドリーから代表で活躍する選手が減ったことに対する不満の裏返しなのだと思う。実際、今回のアルバニア戦で起用されたレアルの選手はセルヒオ・ラモスのみ。ラモスが負傷した後半は、イニエスタに変わって入ったイスコがレアル唯一の選手だった。

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