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激動のマルセイユ、シュート0でPSG戦ドロー。ガルシア新監督と再生へ。酒井宏樹もフル出場

text by 小川由紀子 photo by Getty Images

2億ユーロを投入する予定という新オーナー

 初陣をドローで終えたガルシア監督の感想は、「ポジティブな結果を引き出せて、ミッションは遂行できた」というものだった。

 マルセイユファンはここ最近、ホーム試合にも足を運ばず、本拠地ヴェロドロームはガラガラ状態が続いている。この日のクラシコも、主だったサポーターグループが、「最近の戦いぶりは応援するに値しない」という心情に加えてパルクのチケットが高すぎる、という理由から観戦に訪れなかった。

 サポーターからの声援なくして戦ったのはわびしかったが、こうして勝ち点を積み上げていけば、ファンも次第に応援に駆けつけてくれるようになることだろう。

 また、開幕以来10戦全戦で先発出場の酒井は、新監督のもとでもフル出場を果たした。ガルシア監督の第一印象は、「すごくコミュニケーションをとってくれる人」で、英語もうまく、遠慮なく会話できそうな指揮官だという。

「でもまだ2日間なので監督が求めるものがわからない。だんだん自分の色を出していきたい」と抱負を語った。

 新オーナー就任、新会長就任、新監督就任と、体制が一新した状態で最重要マッチであるフレンチ・クラシコを戦い、敵陣で負けずに勝ち点1をとった、というのは、マルセイユにとっては今後に弾みをつける転換期にあって大きな収穫だ。

 オーナーのマコートは今後の4年で2億ユーロをクラブ強化に投入する予定だという。まだ不在のポストであるスポーティング・ダイレクターには、元バルセロナのアンドニ・スビサレッタの就任決定が秒読みの段階だ。

 今度の冬のメルカートではマルセイユでの動きにも注目したいところ。やはりマルセイユが盛り上がると、フランスリーグは活気づくのだから。

(取材・文:小川由紀子【パリ】)

【了】

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