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セリエA 7年前

ミラン、上位の実力を裏付ける説得力。スソの狡猾さとラパドゥーラの気迫。“フローレ”示したイレブン

ミランは現地時間6日、セリエA第12節でパレルモと対戦。苦しい展開を強いられたが、敵地で2-1の勝利を収めて3位に浮上した。苦戦を強いられたミランだったが、今のチームには上位の実力を裏付ける確かな説得力がある。この日、大仕事を成し遂げたスソとジャンルカ・ラパドゥーラを始め、選手たちは指揮官の要求する“フローレ”を示していた。(取材・文:神尾光臣【パレルモ】)

text by 神尾光臣 photo by Getty Images

ミラン、パレルモ相手に苦しい戦い

ヴィンチェンツォ・モンテッラ監督
ミランのヴィンチェンツォ・モンテッラ監督【写真:Getty Images】

 ミランは苦戦した。「先制点を取ってから、我々はリズムを落としてしまった」。試合後、ヴィンチェンツォ・モンテッラ監督は語った。パレルモの逆襲を許し、実際に同点にされた。

 パレルモは、ミランを研究し意図を持って臨んでいた。「彼らはゲームを組み立てて試合の主導権を握ろうとする。そこにこそ付け入る隙があると考えた」と敵将のロベルト・デ・ゼルビ監督は話した。

 狙い打ちにしたのは、CBとMFの間のスペースである。ミランはボールを保持してゲームを組み立てる時、両サイドバックが高い位置を取り三枚のMFのうち一人が後方に下がる。この時、中盤の底を務めるマヌエル・ロカテッリの周りにはスペースができることになる。

 そこでパレルモ陣営は、そのエリアに人を集中して攻めた。攻撃の中心となったのは、インサイドMFを務めるオスカル・ヒリェマルクとブルーノ・エンヒキの2名だ。両者はロカテッリを囲んだかと思えば、交互に中盤のスペースへ飛び出してパスを前後左右に振り分けていた。

 薄くなっているゾーンに人数を掛けられ、ミランは徐々にペースを譲る。その一方でパレルモもなかなかフィニッシュワークに苦労していたが、ベテランのファンタジスタであるアレッサンドロ・ディアマンティと、地元パレルモ生え抜きの18歳シモーネ・ロ・ファーゾが途中交代で入るとそれも解消。彼らの技術で攻撃にアクセントを付けられたパレルモは、ついにミランの守備を崩してゴールを決めた。

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