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セリエA 7年前

好調ミランをけん引するラパドゥーラの献身性。周囲の力を引き出す万能ストライカー覚醒の時

26日、ミランはセリエA第14節でエンポリに4-1と大勝を収めた。エースの負傷で回ってきたチャンスを生かしたジャンルカ・ラパドゥーラがチームをけん引し2得点。自らのゴールだけでなく攻守にわたって貢献し、監督からの信頼を勝ち取れた理由を証明した。(取材・文:神尾光臣【エンポリ】)

text by 神尾光臣 photo by Getty Images

ミラン、前半の劣勢を覆し大量4得点

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ミランで絶対的な地位を確立したスソ【写真:Getty Images】

 12対9。ミランの圧勝で終わったエンポリvsミラン戦だが、実はシュート数はエンポリの方が上回っていた。

 2トップはワイドに開いてミランのSBにプレッシャーを掛け、裏のスペースへボールを呼び込む。このようにして押し広げられたミランの守備網の間のスペースに、トップ下のリカルド・サポナーラらが飛び出してきて数多くのシュートチャンスを作る。特に前半、試合をコントロールしていたのは明らかにエンポリだった。

 しかし試合開始から60分が過ぎると全員の急に足が止まり、エンポリはそこからさらに3失点を喫して敗れた。「このチームはいつもこうだ。ユベントス相手にもいい内容の試合はするのに、気がついたら失点がかさんで大崩れする」。スターディオ・カステッラーニの記者席で、地元エンポリ番の記者がぼやくのを聞いた。

 だがこの試合の結果を、単にエンポリの失態によるものと決めつけることはできない。4点を奪ったミランの攻撃陣は、パフォーマンスに相応の説得力を見せていた。

 違いを作っていたのは、相変わらずスソだった。前節のミラノダービー2得点の勢いそのままに、サイドにも中央にも良く流れ、対面のベテランSBマヌエル・パスクアールを翻弄。そしてサイドの折り返しから先制点をアシストし、中へと絞ってはイニャツィオ・アバーテのクロスをダイレクトで合わせ、勝ち越しゴールとなるシュートを突き刺した。さらに彼は、チームの4点目もアシストしている。

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