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Jリーグ 7年前

横浜FC、カズの記録更新で話題性はあったが…顕著になった攻撃面での“イバ頼み”【2016年Jリーグ通信簿】

今シーズンのJ2も全日程が終了した。この1年を振り返り、各クラブはどのようなシーズンを送ったのだろうか。今回は、8位でシーズンを終えた横浜FCを振り返る。

シリーズ:2016年Jリーグ通信簿 text by 編集部 photo by Getty Images

ルス監督が再登板から辞任。攻撃はイバに頼るシーンが多く…

三浦知良
今季は2得点を決めた横浜FCの三浦知良【写真:Getty Images】

 昨季はミロシュ・ルス監督の下でJ2残留争いに巻き込まれ、指揮官は結局体調不良で途中退任。思わぬ形でバトンを受けた中田仁司監督がなんとかチームを立て直して15位でシーズンを終えた。

 そんな激動の1年だったにもかかわらず、今季はまさかのルス監督再登板。補強では主に守備陣にテコ入れして開幕を迎えた。

 しかし、開幕3連敗スタートに始まり、2度目のチャンスをもらったルス監督は6月に再び体調不良で退任してしまう。そこから中田監督が指揮を執ってチームを軌道に乗せ、一時はJ1昇格プレーオフ圏内まで勝ち点4差まで迫る健闘を見せた。

 今年の横浜FCを象徴する存在は何と言っても新加入のFWイバだろう。序盤戦はJリーグやチームへの順応に苦しんで振るわなかったが、徐々にフィットすると恵まれた体格と他を圧倒する前への推進力を発揮して18ゴールを量産。5アシストも含めればチーム総得点(50得点)の約半分に絡んだことになる。

 ただ、攻撃はイバ頼みの傾向が顕著だった。守備も51失点と昨季から大きく改善されたとは言えない。終盤3試合で下位クラブに敗れて失速してしまったのも、苦しい時に攻守に変化をつけられるだけのチームの土台ができていなかった証明といえよう。

 来季は長きにわたってチームを支えてきたベテランの多くが退団する。その一方で新戦力は新卒あるいは実力が未知数な外国産の若手が中心で、現時点ではカルフィン・ヨン・アピン以外に即戦力は見当たらない。

 仮に“イバ頼み”から抜け出せなければ、下位争いに巻き込まれてもおかしくないだろう。

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