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W杯出場国拡大。16グループ制は妥協案だった? 試合数増加などの懸念に配慮

text by 編集部 photo by Getty Images

インファンティーノ
ジャンニ・インファンティーノFIFA会長【写真:Getty Images】

 国際サッカー連盟(FIFA)は10日、理事会で2026年大会よりFIFAW杯の出場国を48ヶ国にすると決定した。

 このプランは昨年10月にジャンニ・インファンティーノFIFA会長がコロンビアでの講演会にて明かしたもので、ついに正式決定に至った。

 インファンティーノ氏は昨年2月のFIFA会長選挙にあたってW杯の出場国を「40」に増やすことを提唱していたが、16チームで争う決勝トーナメントの形を作るのが困難で、自らの計画を「48」に改めた。

 しかし、48ヶ国によるW杯は出場選手たちの負担を増やす可能性がある。それに加え、これまでW杯に出場できなかった国の参加によって大会全体の質の低下も懸念されていた。当然これには欧州各国のビッグクラブが反対する。

 トップレベルの選手たちに質の低い試合数の増加を強いてまで、W杯を拡大する意味があるのか疑問の声が多く出ていたのは事実だ。

 英『ITV』などによれば、W杯に48ヶ国が参加する場合、その中から16ヶ国をシードチームとし、残りの32ヶ国で1ゲームプレーオフを行う案があったという。プレーオフ後はこれまで通りの大会形式になるが、これでは出場全48ヶ国の3分の1にあたる16ヶ国が1試合で大会を去らねばならないうえ、決勝までの最大試合数が増えてしまう。シードされる国をいかに決めるかという問題もあった。

 結局FIFAは1チームが決勝までにこなす試合数が現在の7試合から増えることのない、3ヶ国16グループ制を採用することを決めた。グループステージは各国2試合しかないが、各グループの上位2ヶ国、計32ヶ国が決勝トーナメントに進むため、勝つか負けるかのエキサイティングな試合の数が増える。

 また同時に大会全体の試合数も32カ国制では「64」だったものが3ヶ国ずつの16グループ制にすることで「80」に増える。今回決まった2026年から採用される新方式は欧州各国で懸念されていた試合自体の質をある程度保ちながら、数を増やすことで収入の増加も見込める妥協案と言えるかもしれない。

【了】

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