どうなる48ヶ国のW杯。出場国増で広がる大陸間格差…質の低下は不可避か

2017年01月12日(Thu)11時53分配信

photo Editorial Staff
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ワールドカップ
図:現在のFIFAランクをもとにした2026年ワールドカップ出場国のシミュレーション

 国際サッカー連盟(FIFA)は10日、W杯の出場国数を2026年大会から48ヶ国へ増やすことを正式に決定した。

 大会全体の試合数が増えることで放映権料や入場料などによる大幅な増収が見込めるなどのポジティブな面が強調される一方、ネガティブな予測もなされている。

 特に懸念されているのが大会自体のクオリティ低下だ。出場するチーム数が増えれば、これまでW杯を夢見るだけだった国がチャンスを掴めるが、試合の質に影響が出ることは避けられない。

 W杯の出場国が48になったとき、各大陸に割り当てられる出場枠がどうなるかというのは各国のメディアがこぞって予想している。そこで今回はブラジル『グローボエスポルチ』の予想と現在のFIFAランキングを元に、2026年大会の出場国をシミュレーションした。

 表のようにヨーロッパから16ヶ国、南米から6.5ヶ国、北中米カリブ海から6.5ヶ国、アフリカから9.5ヶ国、アジアから8.5ヶ国、オセアニアから1ヶ国が参加するとする。赤い枠が2018年ロシア大会予選で各大陸に割り当てられた出場枠で、薄いピンクの枠はプレーオフ出場権を表す。

 すると見えてくるのはこれまで以上に顕著な大陸間格差だ。アジアの最上位は29位のイランだが、ヨーロッパで最も順位が低いスロバキア(25位)や、南米最下位のエクアドル(20位)にも及ばない。

 FIFAのジャンニ・インファンティーノ会長は「多くの国に出場のチャンスが増え、グローバルに考えればW杯のクオリティは上がる。サッカーはより世界的なスポーツとなるだろう」と述べたが、FIFAランキング80位台の中国やカタールなどの国を出場させて試合の質が向上するとは考えにくい。

 長期的な視点に立てばW杯に出場することで“サッカー後進国”が夢を見ることができ、強化の促進につながるかもしれない。しかし、ヨーロッパや南米の国々も進化を続けており、差が縮まっていくかは不透明だ。

 また、各大陸予選のありかたや大会方式にも影響が出るだろう。南米は10ヶ国しかないにもかかわらず最大7ヶ国ほどの出場枠が確保される見込みで、W杯予選にそれほど力を入れる必要がなくなる可能性がある。そうなれば大会自体の価値が下がってしまう。

 出場枠が大幅に増えるアジアやアフリカのW杯予選も難易度が下がり、各大陸の強豪国は主力を起用せずとも予選を突破して本大会出場権を獲得できるようになってしまうかもしれない。日本で言えば試合のたびに海外組を招集する必要がなくなるかもしれないということだ。

 大会レギュレーションの詳細など決まっていないことは多いが、このままではW杯予選の形骸化が予想され、真剣味が薄れた代表戦の盛り上がりは薄れていってしまう。それによってスポンサーが集まりにくくなれば強化が進まなくなる恐れもある。

 一部では南米と北中米カリブ海地域を統合する案も浮上しているが、FIFAはどんな大会方式を検討しているのだろうか。インファンティーノ氏は次のFIFA会長選挙でアジアやアフリカからの支持を確保するためにW杯出場枠の大幅拡大を約束したとも囁かれており、今後の動向を注視する必要があるだろう。

【了】

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