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原口元気、ドルトに敗戦で感じた自信と課題。ヘルタが陥った「黄色の巨壁」の錯覚

text by 本田千尋 photo by Getty Images

ドルトムントは十分に手の届く存在。「勝てない相手ではない」

 自分自身のプレーを「落ち着いてはプレーできていたと思う」と振り返る原口。ブンデスリーガの試合と日本代表の活動を往復する中で、前半戦の終盤に掛けて落ちていたパフォーマンスは、再び冴えを見せていた。

 先制の場面に繋がったボールキープを始め、アウトサイドでのドリブル突破、さらには数的不利でも仕掛けようとしたように、プレーに思い切りの良さが表れていた。カウンターの起点にもなり、中央にも顔を出す。56分にはカルーからパスを受けてエリアの手前からミドルシュートを打った。

「もちろん危ないシーンもありましたけど、基本的にはみんなでヘルタらしい戦い方ができていた」

 原口をはじめ、一体となってヘルタのサッカーを貫いた。ドルトムントに、過去数年間のような力はない。目の前の黄色い集団は十分に手の届く存在だった。試合後に原口は「勝てない相手ではない」と口にした。

 それでも延長戦を含む120分間で決着をつけられることもなかったが、つけることもできなかった。ヘルタはPK戦の末に敗退。PK戦はくじ引きのようなものだ。紙一重の敗北だった。

 決して勝てない相手ではないドルトムントに勝てなかったのは、なぜなのだろうか。「負けたのには何か原因があるので、改善していければ」と原口は言う。

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