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久保建英の取材非対応は“過保護”か。異例の通達に見る15歳逸材の守り方

text by 編集部 photo by Getty Images

久保建英
Jリーグ選抜としてプレーした久保建英【写真:Getty Images】

 U-18Jリーグ選抜対日本高校サッカー選抜による「NEXT GENERATION MATCH」が18日に日産スタジアムで開催され、U-18Jリーグ選抜は0-4の完敗を喫した。

 FC東京U-18の久保建英はU-18Jリーグ選抜の一員として先発フル出場を果たすも、得点に絡むプレーを見せることはできなかった。

 この試合は鹿島アントラーズ対浦和レッズの前座試合となったことで、一足早く両チームのサポーターがスタジアムに訪れていた。観客席からは久保がボールを持つ度に「オー」という歓声が上がったが、70分間(前後半35分ハーフ)のプレーで存在感は見せられなかった。

 試合後、両チームの選手たちが記者団の取材に対応する中、久保だけがスタッフに誘導されてミックスゾーンを素通り。これは、試合3日前にJリーグから「久保はチームに合流する試合前々日から試合当日(ミックスゾーンを含む)まで一切の取材を受けない」という旨の“お触れ”が通達されていたためである。

 異例ともいえる通達に、「過保護だ」という見方もあるかもしれない。しかし、昨年最年少でJリーグデビューを飾ったとはいえ久保はまだ15歳。これからプロの一員となっていく発展途上の選手だ。

 もし久保が試合後の取材に応じないことが発表されていなければ、多くの報道陣に囲まれることは容易に想像できる。関係者によれば、過去に一部報道機関が久保のプライベートに干渉する取材を行ったことがあったという。それだけに、準公式戦ともいえる「NEXT GENERATION MATCH」で、必要以上にプレッシャーをかけたくないというクラブ側の意向もあったのだろう。

 とはいえ、選手として成長していくためにはプレー面だけではなくメディアとの接し方も学んでいかなければならない。しかしそれは、今後FC東京U-23やアンダーカテゴリの日本代表で身に着けていけばよいことでもある。

 日本高校サッカー選抜でキャプテンマークを巻いた住永翔(青森山田高校)も、「15歳といえば世界が驚く」と評するように、久保が日本サッカー界において貴重な人材であることは間違いない。

 過保護という見方もあるかもしれないが、過度にプレッシャーを与えてしまえば若い才能を早期に潰してしまうことになりかねない。プレッシャーやメディアとの接し方などは、周囲が理解を示し、ゆっくりと見守っていく必要がある場合もあるだろう。

【了】

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