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セリエA 7年前

ブッフォン、うつ乗り越え1000試合出場。世界最高GKの知られざるキャリア第一歩と苦悩の日々

ユベントスのイタリア代表GKジャンルイジ・ブッフォンは、ロシアW杯欧州予選のブルガリア戦で公式戦1000試合出場を達成した。その一歩目はパルマから始まり、トップチームでもその実力を発揮していく。偉大なキャリアを歩んできたブッフォンだが、実はうつに苦しんだ日々がある。自伝で「いくら金持ちであろうとうつにはなる」と告白した守護神だが、そんな危機を乗り越え、選手として成熟したからこそこの偉業に辿り着くことができたのかもしれない。(文:神尾光臣【ミラノ】)

text by 神尾光臣 photo by Getty Images

1000試合に出場したブッフォン、デビューは17歳。偉大なキャリアの第一歩

ブッフォン
公式戦1000試合出場を達成したユベントスのジャンルイジ・ブッフォン【写真:Getty Images】

 5日に行われたコッパ・イタリア準決勝の第2レグ、ナポリvsユベントス戦で、ユーベのゴールマウスは第2ゴールキーパーのネトが守っていた。ゴンサロ・イグアインが古巣相手に2ゴールを決めて決勝通過自体は決めていたが、攻めまくるナポリの前にユーベは防戦一方。そしてネトは、ミスキックをドリース・メルテンスに拾われてシュートを決められた他、後方のボール処理を度々ミスしていた。

 するとテレビカメラは、ある男の顔を大写しにした。心配を表情にも露わにベンチから戦況を見守っていたその男とは、主将ジャンルイジ・ブッフォンのことだ。それを見るなりファンは即座にSNSで反応。「ユーベよ、ジジとの契約をあと10年伸ばせ!」などと書き綴っていた。

 2018年1月28日には40歳を迎え、ロシアW杯をもって引退すると公に宣言はしていた。だが鋭い反応は衰えを見せないどころか、経験が加味されてより安定感を増している印象すらある。先月24日のロシアW杯欧州予選アルバニア戦で公式戦通算1000試合を達成(年代別代表は除く)。イタリアで歴代1位となっているパオロ・マルディーニの記録が1028試合だから、突破も時間の問題である。

 セリエAのデビューは約22年前、17歳の時だ。それもまた、華々しいものだった。

 1991年にパルマの下部組織に入団。そこからめきめきと実力をつけ、16歳で飛び級でプリマベーラ(ユース年代)のチーム入りを果たす。実はこの時プリマベーラにはU-17代表に選ばれていた優秀なGKがいたが、シーズン途中で交通事故に遭い第1GKはブッフォンのものに。そしてそこから、トップチームでデビューを果たすのにも時間は掛からなかった。

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