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川島永嗣が語る「競争」という選択。あえて冒したリスク、仏リーグデビューという一歩

text by 元川悦子 photo by Getty Images

取り戻した代表正GKの座。クラブでも形勢逆転なるか

3月の日本代表戦では傑出したパフォーマンスを披露。クラブでも正GKの座を射止められるか
3月の日本代表戦では傑出したパフォーマンスを披露。クラブでも正GKの座を射止められるか【写真:Getty Images】

 リーグアンは残り5試合。目下、勝ち点36で15位にいるメスにとって、取りこぼしは1つも許されない。ヒンシュベルガー監督が当初の予定通り、ロリアン戦でディディヨンを正守護神に戻すのか、それとも川島を起用し続けるのかは、当日になってみなければ分からない。

 実際、ディディヨンが主に先発した今季は通算失点64で、ロリアンと並んでリーグワーストの数字。これは改善しなければならない点だ。さらに、残留へのプレッシャーが重くのしかかる終盤戦を考えると、経験豊富な守護神を使った方がいいという判断も十分あり得る。

 34歳のベテランGKも「指揮官からは先のことは何も言われていない」と話していて、本当に今後の行方は未知数と言っていい。

「PSG戦も何も考えずにこの1試合に集中した。今後も同じスタンスを続けるだけだと思います。サッカーは努力を続けていれば結果が出るとは限らないけど、必ず先につながると信じてやるしかない。答えが出るのは最後の最後なんで、それを探してもがき続けるのがサッカー人生なんです。

 日本代表から外れた時もそう考えてやっていました。代表は最高の選手が集まる場所。自分自身が最高を求めないんだったら、行く意味はない。2014年のブラジルで挫折して、その気持ちはより一層強まった。今、試合に出れなくて苦しんでいる圭佑(本田=ACミラン)たちも同じ思いでしょう。

 代表もクラブもそうですけど、高いレベルを目指し続けていくのが自分の役割。僕にとってはむしろこれからが大事なんで、思い描いているパフォーマンスを出せるように頑張っていきます」

 果たして終盤5試合で川島の地位は劇的に変わるのか。日本代表の3月2連戦のように彼には一気に形勢逆転を成し遂げてもらいたい。

(取材・文:元川悦子)

【了】

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