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川島永嗣が語る「競争」という選択。あえて冒したリスク、仏リーグデビューという一歩

パリ・サンジェルマン戦で、ついにフランス・リーグアン(1部リーグ)デビューを飾った川島永嗣。今季は所属元での出場機会に恵まれていなかったが、彼はなぜ厳しい競争が待っているチームを選んだのだろうか。PSG戦の翌日、日本代表GKが電話での単独インタビューに応じ、その胸中を語ってくれた。(取材・文:元川悦子)

text by 元川悦子 photo by Getty Images

強豪パリ・サンジェルマン相手のリーグアンデビュー

パリ・サンジェルマン戦でリーグアンデビューを飾った川島永嗣
パリ・サンジェルマン戦でリーグアンデビューを飾った川島永嗣【写真:Getty Images】

「僕自身にとってこの2試合は大きな自信につながりました。向こう(メス)のスタッフがどういう判断をするか分かんないですけど、自分が目指しているレベルのプレーを練習の中でも試合でも出していきたい。見ている人をホントに納得させられるようにやっていきたいと思います」

 3月28日の2018年ロシアワールドカップアジア最終予選・タイ戦(埼玉)の後、日本代表生守護神の座を奪回した川島永嗣は所属クラブでの奮起を誓ってフランスへと戻っていった。その節目から3週間が経過した4月18日のパリ・サンジェルマン(PSG)戦で、彼はついに念願だったリーグアンデビューを果たした。

「3月の代表2連戦(UAE&タイ)が(フィリップ・ヒンシュベルガー)監督の評価に影響したかどうかは分かりません。僕自身もチャンスがあるとはそんなに思っていなかった。実際、16日もリザーブリーグに出ていて、PSG戦のメンバーに入る予定じゃなかったんです。

 ところが、翌日の17日に突然、監督から『明日はお前が出るから』と言われた。今、メスは1部残留争いの佳境にいて、大事な時期にGKを代えるのが簡単じゃないことは分かっていました。ただ、22日のロリアン戦が残留を賭けた直接対決になるんで、そこに向けて主力を温存したいという思惑もあったようです。とにかく自分はつねに準備をしていましたから、気持ち的には落ち着いていた。普段と変わらずやろうと思っていました」と我々の単独インタビューに応じた川島は、大一番出場の経緯を改めて振り返った。

 対戦相手のPSGはご存じの通り、リーグアン優勝6回を誇る欧州屈指の強豪クラブ。現時点ではモナコに次ぐ2位だが、ウルグアイ代表FWエディンソン・カバーニ、フランス代表MFブレーズ・マテュイディ、アルゼンチン代表MFアンヘル・ディ・マリアといった世界トップのタレントがズラリと並ぶ。

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