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久保裕也、“覚醒の方程式”でヘントの大黒柱に。ゴールだけでない攻撃での貢献

text by 中田徹 photo by Getty Images

久保が攻撃のスイッチに。ゴールだけでない貢献

久保裕也
久保裕也はゴールだけでなくパスでもヘントの攻撃を支える【写真:Getty Images】

 この記事によれば4月9日のアンデルレヒト戦で、久保は13本しかパスがなかったという。

「しかし、シャルルロワ戦では33本、オーステンデ戦では27本、ズルテ・ワレヘム戦では39本と久保のパスはアンデルレヒト戦より増え、これらの試合のヘントは良かった」

 それが本当かどうか、私は4月30日のアンデルレヒト戦(0-0)の久保のパスを数えながら観戦した。前半はヘントが試合をコントロールし、左サイドの久保とサイーフからゲームを作っていた。前半の久保のパスは18本(うち成功14本)と、これだけで9日の本数を遥かに越えていた。自陣からのパスを受けながらターンして、相手のマークを剥がして前に向き、ドリブルしながら味方にパスといった、チームの攻撃にスイッチを入れるプレーもあった。

 後半、久保のパスは14本(うち成功9本)。これを大きく減ったと見るかどうか微妙だが、パス成功を比べてみると前半の14本に比べて後半の9本は物足りない。

「エシティが負傷欠場したことで60分以降は中盤のパワーがなくなってしまい、その分、久保がボールに触る機会が減ってしまった」とヘントのファンハーゼブルック監督は分析している。前半は「久保の試合への関与が、チームを向上させたファクターのひとつとなった」、後半は「久保もチームも良くなかった」と言えるかもしれない。

 ゴールのみならず、久保が今後、しっかりチームの攻撃にスイッチを入れる役割を果たすことが出来るかーー。そんなところにも注目したい。

(取材・文:中田徹)

【了】

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