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日本代表 7年前

【U20】久保・坂井らの経験が活路に。エース離脱で窮地の日本、団結力問われるイタリア戦

text by 元川悦子 photo by Getty Images

「全員が同じ戦い方を共有しないといけない」(内山監督)

 次戦はこれまで2戦で繰り返してきた早い時間帯の失点を絶対に阻止しなければならない。「イタリアは引き分けを視野に入れて手堅いゲーム運びを見せてくる」と内山監督も考えているだけに、仮に先にゴールを献上したら守り切られる可能性が高まるからだ。

「普通に考えれば、イタリアは引き分けで2位上がり。もともとそういう文化がある国だから引き分けOKのサッカーをしてきますよね。日本は相手の戦い方を見ながら的確な判断していかないといけない。日本の選手は感情移入してプレーしてしまいがちだけど、そこで強引にリスクを負ってカウンターを食らうのは絶対にダメ。11人中5人がそう考えていても、6人が違うことを考えたらうまく行かなくなる。全員が同じ戦い方を共有しないといけない」と指揮官は勝ち点1以上を確保すべく、選手たちにしたたかさや駆け引きのうまさを強く求めていくという。

 他グループの結果次第ではあるが、日本が勝ち点4を確保すれば、3位通過の可能性はかなり大きくなる。もともと今大会の日本は「1次リーグを突破してその先も戦う」という目標を持って参戦している。つまり「イタリアに勝つこと」より「引き分けでもいいから決勝トーナメントに進むこと」を最優先に考えるべきなのだ。

 それを果たすためには、内山監督の言うように「冷静さ」と「チーム全体の共有」「的確な判断力」が必要不可欠。こうした要素を忘れずに戦えるか否かで、彼らの命運は大きく変わるに違いない。

「いろんな判断材料がある中で、ピッチ内で自分たちの状況をしっかり把握することが大事だと思うし、最低でも勝ち点1を取れば先に望みがつながる。それなのにみんなが焦ってウルグアイ戦の2失点目のように『イケる』と思ってバランスを崩して前がかりになると失点を食らってしまう。それを全員で意識してやらないといけない」とキャプテン・坂井も口を酸っぱくして語っていた。

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