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日本代表 7年前

【U20】“22人目の男”高木彰人にチャンス到来。実った努力の日々、ガンバ組からの刺激

text by 舩木渉 photo by Getty Images

エース小川負傷で風向きが変わり…

 開幕当初は小川航基と岩崎の2人を軸に、15歳の久保建英と長身で高い身体能力が魅力の田川亨介の4人でFWのポジションを回していくことが想定されていた。しかし、グループステージ第2戦のウルグアイ戦でエースの小川が左ひざ前十字じん帯断裂と半月板損傷という大怪我を負い、チームを離れた。

 そこで内山監督は、出番がなく燻っていた田川をグループステージ第3戦のイタリア戦で先発起用した。そして今度は、同じように悔しさを募らせていた高木に、負けたら終わりの大一番でチャンスを与える。選手のモチベーションを喚起するマネジメントが光る。

 出番がなかったイタリア戦の翌日、高木は志願して強度の高い走りのメニューに取り組んだ。少しでも他の選手と同じレベルのコンディションを維持しようとする真摯な姿を、指揮官はしっかりと見ていたのかもしれない。

 本職であるストライカーのポジションで求められるのは当然ゴール。高木も「やっぱりFWだったら、より得点を意識してやっていきたいですし、本来のポジションということもあって、自分の良さを出していけたらと思います」と自身の役割をしっかりと理解している。

「自分がサイドでやっていたときも、FWの選手がどうやって動いているかを見ながらプレーしているところもあった」と、常にストライカーとして出場することも意識しながら練習してきたことで連携面にも不安はないと強調する。

 高木にとってもう一つの追い風は、下部組織時代から互いをよく知るガンバ大阪の選手たちが近くにいることだろう。ベネズエラ戦では堂安律と市丸瑞希がともに先発すると予想されている。「自分のプレーを一番よくわかってくれていると思いますし、自分もわかっているので、そのへんはいいコンビネーションでできたらいい」と、高木が語る安心感は本物だ。

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