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安藤梢、7年半ぶり日本復帰の理由。愛する浦和で「優勝するため」のチーム改革

text by 舩木渉 photo by Wataru Funaki

安藤が始めた「戦う」チームへの改革

 安藤はチームを変革しようとしている。

「沖縄の時(11日のリーグ杯第3節INAC神戸戦)はみんな戦えていないとすごく感じたので、ハーフタイムとか今週の練習とかでも結構みんなに強く言いました。戦う姿勢について言ってきて、1週間準備してきました」

 若い選手が多い浦和Lにとって、安藤の加入による影響は大きかったようだ。石原孝尚監督も「チームの中で戦うところであったり、結果のところであったり、練習から本当にこだわって選手たちに伝えてくれているので、そういうところは少しずつ出てきている」と手応えを感じ始めている。

 他の選手たちも同様に、改めて「戦う」ことの重要性に気づいたようだ。本職はセントラルMFながら最近は右サイドバックで起用されている栗島朱里は、守備面での変化を感じている。

「練習でも試合でも、守備でボールを奪い切れるのに奪い切れていないところがあった。緩くいっているわけではないけど、もっと体を張れるシーンもあるのにそこで奪い切っていないから、逆サイドに振られてみんなで一生懸命戻るみたいな。そういうのは『もどかしい』と言ってくれました。自分たちはそれが当たり前になってしまっていたから、球際は徐々に変わってきている。それはアンさん(安藤)の影響ですね」

 安藤自身「今日(仙台L戦)は沖縄の時よりも(戦うことが)できたかなと思う」と、ある程度チーム全体の向上を実感しているようだ。しかし「もう一歩、奪い切るところ、体を張ってはいるんですけど、最後のところで奪い切ることができていくと、より攻撃的になれると思います」と要求するレベルはまだ先にある。

 浦和Lには技術の高い選手が揃っていて、ボール支配率を高めて攻める形はできている。その一方で全体のリズムが単調になりすぎる傾向があり、緩慢さを突かれて失点したり、悪くなった流れを押し返すことができなかったりする試合が多かった。

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