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小林祐希が語る、名波浩の影響力。「とてつもなくデカい」。多方面にわたる変化のきっかけ【The Turning Point】

シリーズ:The Turning Point text by 海江田哲朗 photo by Wataru Funaki, Getty Images

代表初ゴールは「名波トレーニングのおかげ」

2016年11月のオマーン戦で日本代表初ゴールを決めた
2016年11月のオマーン戦で日本代表初ゴールを決めた【写真:Getty Images】

――今季に懸けるモチベーションの面では、ELのあるなしは大きいのでは?

「もし出場できていたら楽しみではあったけど、それで極端に変わることないです。リーグ戦のほかにカップ戦があり、ポジション争いも激しい」

――なるほど。海外移籍1年目の収穫は多し、と。

「昨季の31試合1得点0アシスト。この結果は悔しいです。悔しいけれど、コーナーキックやフリーキックを蹴らせてもらっていないのも関係しているので。ただ、やはり数字を残さないと代表には選ばれない」

――欧州の4大リーグ以外では、わかりやすい数字で目立つのがフックになる。

「内容で評価されづらいなら、今季は数字も残しちゃおっかなと。エゴイスティックなやり方をするつもりはないですけどね。それでも選ばれないのならしょうがない。おれは代表がすべてとも考えていないですから」

――昨年11月11日のキリンチャレンジカップ、オマーン戦。鮮やかな日本代表初ゴールでした。

「あれは名波トレーニングのおかげです。見たことあります? あれをやり始めたのはおれらなんですよ。最初はナナさんと3人くらいだったかな。こないだ磐田にいったときは、十数人がやっていました」

――詳しく聞かせてください。

「ペナルティエリアの外、ナナさんがパスの出し手で、ディフェンダーがひとり。ナナさんがいろいろなボールを出してくれるんです。浮かした球、速い球、スルーパス、ちょんと置いたボール。シューターは瞬時に反応してダイレクトで打つ。

 足元にボールが入ってきたら、ワンタッチでコントロールし、ディフェンダーをはがしてシュート。それをずっと続けてきて、身体にくせがついていた。ボールを止め、すすっと動いてズドン」

――あのゴールは、力の抜け具合がよかったですね。7割のコントロールショット。

「右足だったから、力を入れすぎると引っ張っちゃう。ロングパスのイメージで蹴りました。試合後、みんなから狙ってねえだろと言われましたが、狙ってなかったらニアのあそこに飛ぶわけがない。あの高さ、上隅は予想外でしたけどね。めっちゃいいところにいったなと」

――小林選手の場合、重要なゴールは意外と右足が多い。

「おれは右足でもガンガン振るんで。J1初ゴールも右足でしたね」

――4年なんて、本当にあっという間。気づいたら、もう来年ワールドカップですよ。

「そんなのみんな感じてますよ。当然、おれも」

――この時期には定着している予定だった?

「していたかったけど、いまさら言ったところでね。近頃は自分の心に呪文のように問いかけています。ヒーローは遅れてやってくるよな、と。これが最もおれを駆り立てるキーワード」

――出た、出た。

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