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アジア 7年前

韓国リーグオールスター、U-22ベトナム代表に完封負け。自国メディアは「恥さらし」と痛烈批判

text by 宇佐美淳 photo by Getty Images

「恥さらし」「屈辱的敗戦」。韓国メディアは厳しく批判

 ベトナムは、90分間、終始試合の主導権を握り、70分に途中出場のグエン・バン・トアンがゴール。結果は1-0だったが、大量得点でもおかしくない内容で、“アジアの虎”からの大金星よりも、むしろシュート21本を放って僅か1得点というベトナムの決定力不足を不安視する声が大きかった。

 とはいえ、その前週に行われたAFC U-23選手権2018予選で韓国代表に1-2で負けていたベトナムのグエン・フー・タン監督は、「韓国チームには、いろいろと不利な条件が多かっただろうが、U-22韓国代表と試合したときよりも、格段に良い試合ができ、チームは完成に近づいた。」とご満悦の表情だった。

 一方、元韓国代表や現役韓国代表を多数擁しながら、闘争心のかけらもなく、格下と見られたU-22ベトナム代表に敗れたKリーグオールスターには、韓国メディアから「恥さらし」、「屈辱的敗戦」などと厳しい批判にさらされた。

 肝心の興業の部分でも、もともと自国の代表チーム以外では、ヨーロッパサッカーにしか関心を示さないベトナムのファンにKリーグの実力や素晴らしさを知らしめるという目標は、ついぞ達成できなかった。

 試合後の記者会見で、敗軍の将ファン・ソンフォン監督は、「選手たちは試合でベストを尽くしたが、蒸し暑い気候とピッチ状態の悪さのため、良い結果が出なかった。我々は十分な準備ができなかったし、ベトナムには地の利があった。しかし、いくら勝利が至上命題の試合ではないとはいえ、我々には、もっと入念な準備と戦略が必要だった。ベトナムの選手では、韓国でプレーするルアン・スアン・チュオンが最も印象的だった」と述べた。

 なお、ベトナムサッカー界のご意見番レ・トゥイ・ハイ氏(元ベカメックス・ビンズオン監督)は、「ベトナムが良い試合をしたというのは否定しないが、今回の韓国チームの主な目的は外交。選手らにとっては、練習試合のようなものだったのだろう。怪我を恐れてか、球際もプレッシャーも弱かった。そんな相手なら、ベトナムはもっと得点を奪うべきだった」と語り、これについては、グエン・フー・タン監督も「フレンドリーマッチだったため、この1試合でベトナムが強いか弱いかを評価することはできない」と同調した。

(取材・文:宇佐美淳【ベトナム】)

【了】

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