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Jリーグ 7年前

2017年J1リーグ残り3節! 優勝、ACL、残留クラブはどうなる

残り3節となった明治安田生命J1リーグ。優勝、AFCチャンピオンズリーグ出場権を巡る3位争いは、混沌としている。またそれ以上に、J1残留をかけた争いは激しいものとなるだろう。現順位と直近5試合の順位データから優勝、ACL、残留の行方を読み解いてみる。(文:SPAIA)

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優勝争いは鹿島アントラーズと川崎フロンターレのマッチレースに

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2017年J1リーグ(残り3節)チームの対戦相手の好不調の変化【画像:SPAIA】

 10月29日に開催された第31節の結果を持って、優勝争いは首位鹿島アントラーズと、2位川崎フロンターレの2クラブに絞られた。両者の勝ち点差は4で、1試合では入れ替わらない差となっていた。

 そんな中、対戦相手の浦和レッズがAFCチャンピオンズリーグ決勝に進出したため、鹿島は第32節を他の16クラブよりも先行して11月5日に開催。この試合に勝利し、勝ち点を70にまで積み上げた。

 その結果両者の勝ち点差は7となったため、残り2試合のどちらかで鹿島が1勝した時点で優勝が決定する。ただし上位チームとの対戦を残しているのは鹿島で、4位の柏レイソルはもちろんだが、最終節の対戦相手となるジュビロ磐田も直近5試合での順位はリーグ2位だ。厳しい相手との試合が続く。

 鹿島は、残り2試合が連敗となった時ははもちろんだが、2試合共引き分けという結果でも、川崎が3連勝した際には勝ち点で並ぶ。得失点差では川崎が大きく上回っているため、是が非でも1勝は必要だ。

 一方で勝ち点7差を追いつくには、残り3試合で2勝1分以上が必要な川崎フロンターレ。鹿島の連敗は考えにくいので、3連勝が必須となるだろう。残りの対戦カードを鹿島と比較すると有利だ。直近5試合の成績が最下位のガンバ大阪、中位の浦和レッズ、そして降格圏に苦しむ大宮アルディージャ。直近5試合の成績がナンバーワンの川崎ならば3連勝も十分可能だろう。

勝ち点差3内に4クラブがひしめき合うACL圏争い

 AFCチャンピオンズリーグ出場権を巡る3位争いは、優勝争い以上に混沌としている。3位から6位までの勝ち点差はわずか3で、1試合で順位が入れ替わってしまう勝ち点差の中、セレッソ大阪、柏レイソル、横浜F・マリノス、ジュビロ磐田の4クラブがひしめき合っている。

 先行して行われた第32節、鹿島対浦和の試合で7位の浦和が敗れたため、3位争いはこの4クラブに絞られた。注目は第32節で、横浜FM対C大阪、柏対磐田、という直接対決がそれぞれ行われることだ。この対戦の結果によっては、順位表が現在と全く違うものとなる。

 ホームでの開催となる、横浜FM、柏はもちろん勝ち点3が必須となるが、アウェイのC大阪、磐田も引き分けの勝ち点1では十分ではない。引き分けとなった場合、C大阪は3位から転落する可能性も高く、磐田は3位との勝ち点差が、残り2試合で1試合では入れ替わらない勝ち点差4以上となってしまうとになるからだ。

 残り対戦カードを見て、順位的に最も恵まれているのはC大阪だが、直近5試合での順位に置き換えると、磐田が有利といえる。しかし、そんなに簡単な話しにはならないだろう。それは、柏、磐田の2クラブは首位鹿島との対戦を残しているからだ。

 鹿島の残り2試合、第33節鹿島対柏戦、第34節磐田対鹿島戦は、優勝争いはもちろん、3位争いにも大きな影響を与えそうだ。

「強化理念分配金」を巡る争いも

 昨季までは、AFCチャンピオンズリーグ出場権を獲得するために3位に入るかどうかが注目点だった上位争いだが、今季からは新たに4位に入るかどうかも大きなポイントとなる。英国のスポーツ動画配信会社、パフォーム社が運営するDAZNと結んだ放映権契約による「強化理念分配金」は、4位のクラブまでに支払われるからだ。

 3位に入ると1年目に2億円、2年目に1.5億円の合計3.5億円、4位に入ると1.8億円の「強化理念分配金」が入るが、5位以下にはない。4位の可能性を残すのは、セレッソ大阪、柏レイソル、横浜F・マリノス、ジュビロ磐田の4クラブだ。3位争いと同様に4位争いも間違いなく最終節までもつれることになるだろう。

 この4クラブのうち柏と磐田は首位鹿島アントラーズとの対戦を残している事は先程触れたが、さらにC大阪、柏の2クラブは降格圏で苦しむクラブとの対戦も残している。この4クラブによる3位4位争いは、残留争いにも大きな影響を与える事になりそうだ。

J1残留を確定していない、13位以下の6クラブ

 J1残留争いに目を向けてみよう。第31節終了時点でJ1残留が確定しているのは12位ベガルタ仙台までだ。13位以下の6クラブがJ1残留を確定できていない。

 北海道コンサドーレ札幌、清水エスパルス、ヴァンフォーレ甲府、サンフレッチェ広島、大宮アルディージャ、アルビレックス新潟の6クラブ中、半分の3クラブがJ1残留。半分の3クラブがJ2降格となる。

 最も有利なのは北海道コンサドーレ札幌で、降格圏の16位広島との差が勝ち点7となっている。残り3試合で1勝すれば、広島が敗れた時点でJ1残留が決定する。次節の結果が札幌の負け、広島の勝ち以外の結果となるとその時点でJ1残留が決定する。

 続くのは14位清水エスパルスだが、広島との勝ち点差は4だ。1試合で変わる勝ち点差ではないが、2試合あれば入れ替わる勝ち点差である。そして、なんとこの2クラブは札幌のホームで第32節に対戦する。

 清水はこの札幌戦の後にアルビレックス新潟戦を残しており、これは降格圏クラブとの直接対決となる。また最終節では、直近5試合での順位は6位に該当し、好調なヴィッセル神戸との対戦も控えている。

 札幌戦の結果では一気に残留争いに巻き込まれてしまう可能性もあるため、第32節の札幌対清水の一戦は両クラブにとって重要な試合となる。

J1に残るのは1クラブのみ! 15位以下の4クラブ

 J1残留に向けて、最も激しい争いとなるのが15位以下の4クラブだろう。対戦相手の平均順位が最も高いのはヴァンフォーレ甲府。この数字だけ見ると対戦相手に恵まれているように感じるが、そう簡単にはいかない。

 第32節には新潟、第33節には大宮と残留争いのライバルとの直接対決を2試合も残しているからだ。もし、この2試合に敗れてしまうようなことがあると、勝ち点を獲得できないだけでなく、ライバルに勝ち点3を与えてしまうことになる。

 特に第32節に対戦するアルビレックス新潟は、1つでも勝ち点を落とすと降格が決定してしまう状況となりながら、直近5試合では7位と勝ち点を積み重ね始めている。奇跡の残留を目指す直接対決は激戦必至だろう。

 そして大宮アルディージャは、最終節に2位川崎フロンターレとの一戦を控えているため、最初の2試合により力を注ぐことは間違いない。残り3試合の段階で伊藤彰監督を解任し、昨年の優勝監督である石井正忠氏を就任させたことでも、その本気度が感じられる。

 この4クラブのうち唯一直接対決が無いのがサンフレッチェ広島。対戦チームの平均順位は7.7と4クラブの中でも最も厳しいが、直近5試合の順位になると11.7と4クラブの中で最も楽になる。

 とはいえ広島の直近順位も14位と4クラブ中3位。上の順位との対戦が続く事になる。直接対決が無いということは、巻き返しがきかないということでもあるのだ。残り3節となった2017年明治安田生命J1リーグ。優勝、残留、降格と運命の時は近づいてきている。

(文:SPAIA

【了】

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