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アジア 6年前

【ACL決勝】0-8恥辱を忘れぬアル・ヒラル。打倒浦和へ徹底したロビー活動、AFC会長への圧力

text by 森本高史 photo by Takashi Morimoto

中東全体から注目されている「場外戦」

sharq awsat
サウジアラビアの現地紙sharq awsat【写真:森本高史】

 もう一つは、母国サウジアラビアのみならず中東全体から注目されている「場外戦」。

「アジアVSサウジアラビア」

 と浦和レッズVSアル・ヒラルのファイナルをこう位置付けているのは、サウジアラビアスポーツオーソリティのチェアマンを務めるトゥルキ・アル・シェイフ氏。サウジアラビアのみならず中東全体でアル・シェイフ氏の刺激的なコメントが連日大々的に報道されており、アル・ヒラル以上に人々の関心を集めている。

「サウジアラビアサッカー界は、アジアにおける国際大会で様々なビッグトラブルや嫌がらせに見舞われて来た。私は、サウジアラビアスポーツ界のトップとして、アル・ヒラルの選手団を守るべく、AFC(アジアサッカー連盟)と徹底的に戦わなければならない」

 今まで受けた最大の被害として、アル・ヒラルが優勝を逃した2014年ACLファイナル、アル・ヒラルVSウエスタン・シドニーの第2レグにおける西村雄一氏のレフェリングを挙げている。

「我々のホームゲームにもかかわらず、最低3回の明らかなPKが見逃されている。サッカーを始めて観戦する子供が見ても、『なんでPKじゃないの?』と指摘するほどの深刻なファウルであり、2試合合計0-1で敗れた。ミスター・ニシムラのジャッジ、誤審のせいでアジア王者の座を失ってしまったといっても過言ではない」

 実際にアル・ヒラルは、西村氏のレフェリングに対してAFCに調査を要求しており、3年前は「フェアで公正」とされていた日本の一般的なイメージが崩れ、「アンチ中東」と激変する要因となってしまった。

 サウジアラビアの新聞、テレビはこぞって当時の西村氏のレフェリングを批判する報道を展開しており、まさしく「Remember Nishimura」。

「とはいえ、今回のアル・ヒラルの対戦相手が浦和レッズということでミスター・ニシムラは笛を吹くことはないし、人間は誰でもミスを犯すものだ。ミスター・ニシムラ個人を恨んだりはしないし、我々サウジアラビアとの友情関係は今でも続いている。ミスター・ニシムラは、レフェリーとしてサッカー人として、そして1人の人間としてリスペクトしている」

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