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マンC・エデルソン、ペップにとってはノイアー以上に理想的? 最先端型GKの完成度【西部の目】

シリーズ:西部の目 text by 西部謙司 photo by Getty Images

ペップにとってはノイアー以上に理想のGK

図版
ゴールキック時のパスコース。センターバックがペナルティーエリア脇に開き、中央にはMFが1人立つ。

 エデルソンは2部のリベイロンからトップリーグのリオ・アベへ移籍、そこでの活躍が認められてベンフィカへ。当初はブラジル代表GKのジュリオ・セーザルがいたためにリザーブチームに回されたが、ジュリオ・セーザルの負傷で得たチャンスをつかんでレギュラーに定着。2017年の夏には3500万ポンドでマンチェスター・シティへ移籍した。

 この移籍金額はGKとしてはジャンルイジ・ブッフォンに次ぐ史上二番目の高額だった。

 エデルソンはシュートストップの能力が抜群なだけでなく、足下の技術がフィールドプレーヤー顔負けである。ペップ・グアルディオラ監督にとってノイアー以上の理想のGKといっていい。

 シティのビルドアップはゴールキックから始まる。現在は多くのチームが採り入れているが、CBがゴールラインとペナルティーエリアの縦ラインが交差する場所に開いて立ち、中央にはMFが1人立つ。GKはこの3人の誰かがゴールキックを蹴るところからビルドアップを始める。

 このゴールキックのショートスタートに対して相手がプレスをかけてくると、フリーのGKへボールが戻されることが多い。相手はさらにGKへもプレスしてくる、GKにはもちろんバックパスの逃げ場がない……20年前のGKならパニック必至の状況だが、現代のGKは平然と切り抜けられなければいけない。

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