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過去最高級の数字も…評価が釣り合わないマンU。2年目のモウリーニョが植えつける闘争心

text by 山中忍 photo by Getty Images

執念にも似た闘争心を植え付けているのか

href=”https://img-footballchannel.com/wordpress/assets/2017/12/201712192_lukaku_getty.jpg”>ロメル・ルカク
マンチェスター・ユナイテッドのFWロメル・ルカク【写真:Getty Images】

 実際、ユナイテッドの選手たちも、それを発奮材料として最後まで闘う決意を強めたかのように見受けられる。

 チェルシー第1期のモウリーニョは、周りからは「金でタイトルを買った」と詰られ、メディアでは「サッカーがつまらない」との声が増す中で、チーム内に「オレたち対ヤツら」という対抗意識を生み出して戦闘意欲を駆り立て、余裕とも言えるプレミア連覇を実現した。

 同じように2年目のユナテッドでも、若手も増えたチームに、執念にも似た闘争心を植え付けようとしているのではないか?
 
 ユナイテッドは、敗戦がショックでなかったはずのないシティ戦後、再び連勝街道に軌道を戻している。これもまた、格下相手の辛勝とみなされてはいるが、ともすればモチベーションを上げにくい、ボーンマス戦(1-0)とウェストブロミッジ戦(2-1)で結果をものにした。

 1得点ずつを上げた24歳のエース、ロメル・ルカクは、かつてのレンタル移籍先だったウェストブロミッジとのアウェイゲームだけではなく、ボーンマスとのホームゲームでもゴールを祝いはしなかった。「まだまだこれから」と自分自身に言い聞かせると同時に、「ヤツら」への無言のメッセージなのかもしれない。

 もちろん、シティの断トツぶりを考えれば、逆転優勝が実現する可能性は極めて低い。だが、可能性はあるわけであり、開幕前の優勝候補勢の中で、最も追撃に現実味があるのはユナイテッドだ。

 後半戦になれば、タイトル獲得へのルートにFAカップが加わり、CL決勝トーナメントも始まる。セビージャとの16強をクリアして欧州戦でのマンチェスター・ダービーでも実現すれば、結果重視のモウリーニョ流が改めて「さすが」と言われる展開にならないとも限らない。シーズンは、まだ折り返し地点に差しかかるところ。モウリーニョ2年目のユナイテッドも同様だ。

(取材・文:山中忍【イングランド】)

【了】

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