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長友佑都 6年前

長友佑都、ミラノダービーでフル出場。相手エースを封じるも、失点関与で後味の悪い敗戦に

text by 神尾光臣 photo by Getty Images

ミスが連発した攻撃陣。延長戦突入で守備が崩壊

 後半、途中出場のダビデ・カラブリアが積極的にオーバーラップを敢行し、中に絞るスソだけでなくアウトサイドもカバーしなければならなくなった。しかし、それも冷静に対応。味方とマークのスイッチをしながら上手くスペースへ回り込み、ボールをカットした。それでもミランはスソを中心に攻めては来たのだが、アーリークロスか中央にポジションを移したときに限られた。長友が執拗な守備で、担当するゾーンだけは譲らなかったからだ。

 しかし、この日のインテルは拙攻が続いた。ジェンナーロ・ガットゥーゾ監督のもとで守備の意識を締め直したミランは、低くラインを設定しながら激しいプレスを掛けてくる。これに対し、インテルの中盤の選手はミスを連発し、攻撃のチャンスが作れない。試合はノーゴールのまま推移し、延長になってしまった。

 そして104分、これまで粘り強い守備を見せていた長友だったが、スソに大仕事をさせてしまうことになった。

 中盤まで詰めたアンドレア・ラノッキアがボールをロストし、攻撃の主導権がミランへと移る。人数の足りない中、ラノッキア以外のDFは後方でラインを整えようとする。しかし全体に戻りが間に合わずスソが右サイドでフリーになっている。長友はラインをブレイクし、マークについた。ボールが渡り、ドリブルを仕掛けようとする相手にサイドのコースは切る。するとスソは鋭い切り返しで中へと入る。長友はそれに喰らい付こうとするが、一歩前にクロスは放たれた。

 もっとも長友の過失というよりはスソを褒めるところだし、攻撃のコースを限定してるのだから落ち度があるともいえないだろう。サイドのスペースを明け渡さず、追い込んだエリアでクロスを上げさせ、中央の味方が弾くという守備はこの試合中何度も成功していた。これも十分防げるパターンだと思われたが、よりによって中央の守備が乱れた。

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