井手口陽介、プレミア挑戦へのロードマップ。英国の特殊な労働許可証取得問題の現実

2018年01月15日(Mon)11時04分配信

text by Kozo Matsuzawa / 松澤浩三 photo Getty Images
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井手口のために用意されたスペインの舞台。来季は満を持して…

岡崎慎司
岡崎慎司も「時間がかかりすぎ」と漏らした英国の手続き。井手口陽介は偉大な先輩に続けるか【写真:Getty Images】

 ワトフォードのベネズエラ代表FWアダルベルト・ペニャランダは2016年夏に続いて昨夏もGBE申請を却下された。現在20歳のペニャランダは18歳でA代表デビューを果たし、昨夏には同国U-20代表としてU-20W杯でチームを決勝まで導く活躍を見せた超有望株である。

 さらにスペインのグラナダやイタリアのウディネーゼのトップチームでプレーした経験もある。リバプールでは、2015年にブラジルのインテルナオシナルから青田買いしたアラン・デ・ソウザが2年半にもわたって、GBEを待ち続けている状況だ。

 このとおり、プレミアリーグでプレーしたい欧州圏外の選手にとって、労働許可証の取得が非常に高いハードルなのは確実だ。2015年にレスターに合流したばかりの岡崎が「本当に時間がかかりすぎ」とこぼしていたのが思い出される。選手にとっては、ストレス以外の何物でもないだろう。

 だが井手口は前述のとおりすでにGBEを手にしており、最初のハードルはクリアしたわけである。それでもリーズは、現時点ではレンタル移籍で経験を積ませる道を選んだ。なぜなら、もしイングランドに残ったとしても出場機会に恵まれない可能性が高かったからだ。
 
 クラブ公式サイトのインタビューに答えたフットボールディレクターのビクター・オルタ氏は、「Jリーグは12月にシーズンが終了しており、ヨウスケはプレシーズンを過ごしているところで、一方の我々はシーズン真っただ中で、中盤のポジション争いは熾烈だ」としている。

 そのためクラブ側は、井手口をすぐチームに合流させるのは賢明ではなく、ワンクッションを置く形が選手にとって最善と判断したようだ。

「現在中盤の選手は好パフォーマンスを見せており、W杯へ向けて備えるヨウスケが必要とするゲームタイムを得られないかもしれない。スペインの2部リーグはフィジカルが強く、チャンピオンシップに参戦する準備をするのには最適だ」

 夏に再び英国の地に戻っても、まだ契約は4年残っている。就労ビザのストレスはなく、一方時間的な余裕は十分にある。イングランドファンは熱いプレーを好み、井手口のプレースタイルは好かれるタイプだ。初の海外挑戦になるだけに、焦らずに、時間をかけて成長してほしい。

(取材・文:松澤浩三【イングランド】)

【了】

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