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香川真司 6年前

香川真司、芸術ボレー弾も気の緩みを嘆く。ドルトが取り戻したはずの「基本原則」は何処へ

text by 本田千尋 photo by Getty Images

「ルーズさが出た」。フライブルクの術中に

香川真司
先制後はフライブルクの狙い通りに…【写真:Getty Images】

 対照的に「フライブルク」は、26分、しっかりとしたプレッシングから、ゴンサロ・カストロのミスパスを誘発。鋭いカウンターを仕掛ける。自らの「ロスト」を取り返そうと、たまらず背番号27はペーターセンに喰らい付く。だが、ボールは奪えずファウル。イエローカードを提示される。

 ドルトムントはボールを回して、クロスを入れることはできたが、最後の最後に決め切ることはできない。もちろんたとえ「バイエルン」であっても、ベタ引きのチームを崩すのは簡単ではないだろう。しかし問題なのは、敵陣に入ってボールポゼッションを高めようとした場合の、「ロスト」時の守備だった。

 香川は「僕たちの隙が生まれた」と言う。敵がカウンターを狙い、わずかなチャンスに賭けようとしてくるのであれば、不用意にボールを失うことは、やはり許されないことだった。

「こういう勝ててない時期は、余計にそういうところの細かいところをやっぱもっとこだわっていかないといけないですし、そういうところの、ルーズさがちょっと出ちゃったのかなあと思います」

 68分、ヌリ・シャヒンのバックパスをカットしたペーターセン。そのまま約40メートルのループシュートを決めた。繰り返された、不用意な「ロスト」。「フライブルク」に逆転ゴールを許した。

 試合後に香川は、マッチプランが正しく実行されたのは、自分たちではなく「相手の方」だったことを認めた。

「ホームなので、絶対に勝たなきゃいけない試合でしたし、試合内容を見ても、もっとコントロールしなきゃいけない中で、90分通して相手の方がやりたいことを出し続けられたのかなと。自分たちのリズムっていうものは、なかなか今日は、90分通して生まれてなかった」

 ゲームを「コントロール」できなかったドルトムント。93分、アンドリー・ヤルモレンコのクロスを、チャグラル・ソユンクがクリア。目の前にこぼれてきたボールを、ジェレミー・トルヤンがダイレクトで豪快に蹴り込む。やっとのことで2-2のドローに追い付いた。

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