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世界一過酷なアウェイ遠征!? 横浜FMのイッペイ・シノヅカが体感したロシアリーグの現実

シリーズ:世界一過酷!? 知られざる極東ロシアサッカー text by 舩木渉 photo by Wataru Funaki

そうだ、ロシア行こう

 コルヤンは「誰も僕の言うことは聞かないと思う」と前置きした上で、ロシア・プレミアリーグの厳しさを吐露した。東から西への移動も当然過酷なうえ、モスクワで乗り継ぎのある遠征は3日がかりと困難を極める。前日の午前中に練習をしてから出発し、午後から遠征先に移動して前泊を経て試合を迎えるJリーグと比較しても、想像を絶する環境である。

 シノヅカはこんなことも言っていた。

「(ロシアリーグは)2部でもレベルは高いと思っています。環境は悪いし、給料未払いとかも多いし、だけどみんなハングリーにやっています。すごく負けず嫌いですしね。生ぬるくはやっていないので。毎回があのアウェイ遠征だったら本当に大変。聞いただけじゃわからないです。やってみないと。自分もハバロフスクやウラジオストクのチームではやっていないので、(実際に体験したら)たぶん100倍きついと思います。それで昇格したので、尊敬しますね」

 SKAハバロフスクの広報からは、確かにスパルタク・モスクワは試合当日の早朝に到着して、終了後すぐに帰るという情報をもらっていた。スター選手たちも移動に疲れてヘロヘロで戦うことになるのだろうか。「きつかったです。だから(ロシアから)逃げました(笑)。さすがにサッカーをやっている環境じゃない」とシノヅカが自虐気味の笑顔で振り返るロシアサッカーとはどんなものなのだろうか。限られた情報をもとにいろいろな想像を膨らませながら、夏のロシアへの旅が始まった。

(取材・文:舩木渉)

【了】

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