世界一過酷なアウェイ遠征!? 横浜FMのイッペイ・シノヅカが体感したロシアリーグの現実

まさに「世界一過酷なアウェイ遠征」ではないか…。欧州リーグの今季開幕前、西欧のメディアをにぎわせたロシアの小クラブがある。極東ロシアのハバロフスクに本拠地を置き、クラブ史上初めて1部昇格を成し遂げたSKAハバロフスクである。広大なロシアを東西に横切る遠征がどれほどキツいのか、実際に体験したことのある1人の選手に話を聞いた。(取材・文:舩木渉)

2018年03月06日(Tue)15時18分配信

シリーズ:世界一過酷!? 知られざる極東ロシアサッカー
text by 舩木渉 photo Wataru Funaki
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リーグ戦のアウェイ遠征で往復1万7000kmの大移動

イッペイ・シノヅカ
横浜F・マリノスのMFイッペイ・シノヅカはロシア2部リーグでプレーしていた経験を持つ【写真:舩木渉】

「ロシアでも行ってくれば?」

 この企画は雑談中の一言から生まれた。今年の自分の夏休みをどう使うか、編集部内でそんな会話をしていた時だった。最初は来年W杯があるから、という理由だったが、あることを思い出した。

 2017年3月頃、ヨーロッパの複数メディアがロシアリーグのあるトピックについて報じていた。英『BBC』は「SKAハバロフスクがロシア・プレミアリーグに到達:リーグ戦で1万1000マイル(約1万7700km)を往復する」と見出しを打っていた。

 ハバロフスクは日本から直行便を使えば最短3時間で行くことができる。その都市に本拠地を置くクラブが、創設以来初めてロシア・プレミアリーグ昇格を果たした。記事によれば首都モスクワまで飛行機で片道約8時間、もし車で移動するなら4日半、シベリア鉄道で5日半かかるという。サンクトペテルブルクなど地方での試合なら、さらに長距離の移動を強いられる。

 つまり、モスクワで試合をするよりも日本や中国、韓国、北朝鮮へ行く方が圧倒的に近い。間違いなく欧州のトップリーグで最も厳しい環境にあると言えるだろう。同時に日本から最も近い欧州トップリーグであるとも言える。

 思い立ったら即行動。「そうだ、ロシア行こう」と、そんなノリで試合日程を調べ始めた。すると代表ウィークの直前、8月27日にSKAハバロフスクが昨季王者のスパルタク・モスクワをホームに迎えるビッグゲームを発見した。チャンピオンズリーグ本戦に出場するクラブを、日本からわずか3時間の場所で見られる。これしかない。

 クラブにメールと電話で連絡を取り、取材の主旨を伝えると、すぐに許可が下りた。最初はホームページに記載されていたメディア用窓口にメールを送ってみたが、返信がなかなか来ないので直接電話してみると、選手にもスタッフにも英語を理解できる人材が少ないということがわかった。それでも全くいないわけではなさそうなので交渉すると、スパルタク・モスクワ側との折衝も含めて見知らぬ日本人に対し取材の全面サポートを約束してくれた。

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