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世界一過酷なアウェイ遠征!? 横浜FMのイッペイ・シノヅカが体感したロシアリーグの現実

シリーズ:世界一過酷!? 知られざる極東ロシアサッカー text by 舩木渉 photo by Wataru Funaki

遠征疲れでベンチで居眠りも…

コルヤン
SKAハバロフスクのアルメニア人FWルスラン・コルヤンが明かしたアウェイ遠征でのエピソードとは…【写真:舩木渉】

 一般的に、飛行機による長距離移動では西へ向かうよりも東に向かう方が身体的な負担が大きいとされる。人間の体内のあらゆる機能は1日24時間の周期に合わせて昼は活動的に、夜は穏やかになるよう調整されているが、飛行機などに長時間乗っていて時差の影響を受けると、そのリズムが狂ってしまうためだ。

 なのでスパルタク・モスクワの選手たちは時差の影響が出ないよう試合直前に現地入りし、影響が出る前に帰ることで負担を最小限に抑えようとしている。モスクワ時間で生活するのも、体のリズムが狂わないようにするための対策の一環である。

 だが、シノヅカは「僕はモスクワからだったからまだいい方」と語る。「違う地域からだったら、ほとんどモスクワを経由して、さらに8時間かかるわけですから」と、その理由を説明する。つまりサンクトペテルブルクやカザンなどからの遠征は、モスクワ以上の過酷さになるわけだ。

 ロシアへ出発する前、現地メディアの情報を調べていると興味深い記事を見つけた。それはスパルタク・モスクワ戦の前の試合、SKAハバロフスクがサンクトペテルブルクに本拠地を置くトスノとのアウェイゲームの後に書かれたものだった。

 そこではSKAハバロフスクの9番を背負うアルメニア代表FWルスラン・コルヤンのコメントが引用されていた。

「トスノとの試合中、何人かの選手たちがベンチで眠ってしまっていた。その時間はハバロフスクなら朝5時なんだよ。僕らは順応するために2日間飛行機に乗ってきた。(中略)今日は3日目。体は最もキツい」

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