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メッシ劇場開演。チェルシーの自滅逃さぬバルサの絶対的エース、必然の2ゴール1アシスト

text by 長坂祐樹 photo by Getty Images

メッシ圧巻の2ゴール1アシスト。存在そのものが相手の脅威に

 チェルシーにとって致命的となる2点目を決めた後、バルセロナは相手からボールを奪い主導権を握った。ボランチのセルヒオ・ブスケツやイヴァン・ラキティッチを中心にゲームを組み立て、反撃に出たい相手に対して悠々と試合を進めた。

 チェルシーはその後、低い位置で奪ってからのカウンターでゴールを奪いにいくも得点には繋げられず。逆に、63分にはディフェンスラインの軽率なミスからまたしてもメッシに得点を決められ、絶望的な3点差をつけられてしまった。試合終盤にはアントニオ・リュディガーのヘディングシュートなど惜しいシーンもあったが、結局3-0でバルセロナの完勝に終わった。

 守備的な戦い方で大一番に臨んだチェルシーは、メッシの得点で出鼻をくじかれてしまった。得点が必要だった状況を考えると、むしろその後攻撃に出た際のリスク管理の方が重要であったが、そこでも自分たちのミスで相手にリードを広げる機会を与えた。

 そもそも2ndレグでゴールが必要になったのも、1stレグ終盤のディフェンスラインのパスミスからの失点が原因となっている。2戦通じて1得点しか奪うことができなかったのは事実だが、それ以上に強力な攻撃力を誇るバルセロナ相手にリスクマネジメントを徹底できなかったことが大きな敗因の一つに挙げられるだろう。

 逆にバルセロナは、メッシが2戦合計で3ゴール1アシストと全ての得点シーンに絡む大活躍を見せた。バルベルデ監督新体制のもと今季は新たな役割を与えられているメッシだが、ここぞという場面で相手の隙を見逃さず、チームに勝利の歓喜をもたらした。

 メッシが輝くバルセロナは強い。CL準々決勝で顔を合わせるチームにとって、この「メッシ」という存在そのものが脅威となる絶対的エースをどのように封じるかが勝利への大きなテーマとなるに違いない。

(文:長坂祐樹)

【了】

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