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現バルサ指揮官バルベルデのサッカー哲学。スターのエゴとグループが調和する神秘【インタビュー】

text by アイトール・ラグーナス photo by Getty Images

フットボールはジャーナリズムを必要としているか?

――あなたは選手、監督として30年以上にわたってプロフットボールに携わっています。ではまず、このゲームの主役たちがここ最近、トーチカ(編注:コンクリートで堅固に構築した陣地を指す軍事用語)に立てこもるようになった、情報を与えなくなったことについて話をしましょうか。

エルネスト・バルベルデ(以下V) フットボールと対だったジャーナリズムの成長を目の当たりにすれば、ある程度は必要なことだった。今は「何だよ、記者たちは以前ならば通路で選手たちに会え、その場でインタビューできたのに」なんて話されている。

 現在では考えられず、一つのインタビューではなく50のインタビューとなってしまうだろう。それは今日のフットボールビジネスが導いたことだ。

――フットボールは今もジャーナリズムを必要としているのでしょうか?

V クラブはすべてを一緒くたにして伝えようとしている。公式ウェブサイトにテレビ……。選手たちならば、誤解を防ぐためにツイッターを活用している。

――だからこそ聞いてみたのです。フットボールがジャーナリズムを“省く”ことができると思っているのかを。

V 皆が釣り合いを取ろうとしている。ジャーナリズムは多種多様な意義で活動し、そのために誰が最も声高に叫んでいるかを競うようなフォーマットが生まれた。

 そうして、驚くようなことが起こったわけだ。以前ならば有名な記者は数えるほどしかいなかったが、今は“スター”であふれかえっている。私は気にしないように努めているが。

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