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圧巻のベイル、レアル3連覇へ導いた切り札の差。リバプールを狂わせたサラーと守護神の涙

チャンピオンズリーグ(CL)決勝が現地時間26日に行われ、レアル・マドリーが3-1でリバプールを撃破。途中出場のガレス・ベイルが圧巻の2ゴールを決めて3連覇という偉業を遂げた。しかし、この試合では多くの涙が流れた。(文:海老沢純一)

text by 海老沢純一 photo by Getty Images

危険すぎたセルヒオ・ラモスの行為

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セルヒオ・ラモスとサラーが交錯…【写真:Getty Images】

 2017/18シーズンを締めくくる一戦は、涙の舞台となった。

 ユルゲン・クロップ監督の下、3シーズン目となるリバプールは、「ゲーゲン・プレッシング」と称される独特なスタイルが完璧に浸透して今季のトーナメントを勝ち上がってきた。

 その中でチームの核を担ったのはモハメド・サラーだった。主に右ウイングを主戦場としながら、プレミアリーグで32得点、CLでも10得点を挙げて、今季の欧州で最大級の存在感を示した。その最高のシーズンの最後がCL決勝という大舞台だっただけに、本人のテンションも最高潮に達していたはず。

 しかし、前半31分に肩の負傷により交代を余儀なくされた。原因となったのは、レアル・マドリーのDFセルヒオ・ラモスとの接触プレー。ボールを競り合った際に、セルヒオ・ラモスはサラーの腕を巻き込む形で共に倒れこんだ。流れの中での事故とも言える状況だったが、セルヒオ・ラモスの行為は危険なものだった。

 日本でもアメリカンフットボールで話題になっているように、スポーツのプレーの中で「相手に怪我をさせたって構わない」と考えている人物がいるとするならば、今すぐにフィールドから去るべきだろう。

 一度はプレー続行の意欲を見せたサラーだったが、結局は涙を浮かべながらピッチを後にした。また、マドリー側でもその直後に右SBのカルバハルが負傷。同じく涙を流しながらの交代となった。

 サッカー選手ならば誰もが夢見るCL決勝の舞台であり、3週間後にはワールドカップも控えているだけに、この負傷を受け入れられないのは十分に理解できる。

 サラーにとっては自身初のCL決勝であり、ワールドカップはエジプトにとって1990年イタリア大会以来となるだけに、かける思いは大きかったはず。カルバハルは、14年南アW杯は選外となり、16年EUROは負傷欠場となったため、今回のワールドカップがスペイン代表として初の大舞台だった。

 ともに診断結果次第ではワールドカップに間に合う可能性は残されているが、100%のコンディションで臨むのは難しくなるかもしれない。

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