“その存在が卑怯”。最高峰のDFクリバリ。日本の前にそびえ立つセネガルの『人間山脈』【W杯 日本を襲う猛獣たち】

2018年06月04日(Mon)10時40分配信

シリーズ:W杯 日本を襲う猛獣たち
text by 神尾光臣 photo Getty Images
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ナポリのパスサッカーを向上させた要因に

カリドゥ・クリバリ
ナポリがパスサッカーを向上できた理由の一つに、クリバリの成長があった【写真:Getty Images】

 そして実際に、強力なDFへと成長した。ナポリはトッテナム・ホットスパーから国際経験の豊かなヴラド・キリケシュを獲得したが、最終的に彼を押しのけて主力に定着したのはクリバリだったのだ。

 サッリは練習を通して、戦術上の動きを磨いた。正確なラインディフェンスに対応するという組織戦術と、相手FWと駆け引きをする上で隙を与えないという個人戦術の両面でだ。

 ナポリ1年目のころは、強いチャージを見せたと思ったら、一発で裏を取られるような脆さも散見された。ラインディフェンスでのポジショニングが甘く、相手も視野から逃す。戦術的な駆け引きに長けたセリエAのFWは、DFの背後に行くための進路を塞ぐポジショニングを相手がしてないとみるや、瞬時に体を入れてくる。

 いくらクリバリに卓越したフィジカル能力があってもこれで無効にされてしまい、止められずに失点、というパターンが多かった。

 そこでサッリ監督は、ボールを保持していないところの動きを全面的に鍛えなおした。DFラインを別個にした反復練習を重視し、相手ボールの位置によってラインの上下動や収縮、また選手同士のカバーリングを細く変える連携を叩き込んだ。

 そうした組織守備戦術を体に叩き込んだ上で、サッリ監督はクリバリに視野の取り方など細かい部分を指導。その結果、クリバリの動きは良くなった。攻め込まれた場合はゴール前のスペースを着実に埋め、エリア内に入ったボールを弾き返す冷静さも磨かれた。3シーズンに渡る指導が行き届き、今ではクリバリが試合中に大きなミスを見せることの方が珍しくなった。

 また彼は、攻撃面でも貢献ができるようになった。ボールを奪ったのち、視野を確保して、安定したグラウンダーのパスを横だけではなく縦方向にも入れて行く。地味ながら、これが次の展開を助けて行くのだ。

 大きな補強をしなかったにもかかわらず、ナポリがパスサッカーの質を昨季よりさらに向上させた理由の一端は、クリバリの成長にあると言っても良いだろう。

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