守護神ではなく疫病神。イングランドに続く凡庸GKの系譜…W杯で高まる不安【粕谷秀樹のプレミア一刀両断/ロシアW杯】

2018年06月18日(月)8時10分配信

シリーズ:粕谷秀樹のプレミア一刀両断
text by 粕谷秀樹 photo Getty Images
タグ: , , , , , , ,

プレミアの強豪にイングランド人正GKは皆無

 そして92年、ルール改正によってバックパスを手で扱えなくなったからさあ大変。ダビド・デ・ヘア(スペイン代表)、エデルソン(ブラジル代表)、マヌエル・ノイアー(ドイツ代表)のようなタイプが、守備範囲が広くて攻撃の起点にもなれるようなタイプが現われないのは、FAとプレミアリーグの対応が誤っていたからだ。

 当然、プレミアリーグのトップチームも外国人GKをレギュラーに起用する。シーマン引退後、アーセナルはイェンス・レーマン(ドイツ)→ヴォイチェフ・シュチェスニー(ポーランド)→ペトル・ツェフ(チェコ)。チェルシーはカルロ・クディチーニ(イタリア)→ツェフ(チェコ)→ティボー・クルトワ(ベルギー)。リヴァプールもホセ・マヌエル・レイナ(スペイン)→シモン・ミニョレ(ベルギー)→ロリス・カリウス(ドイツ)とイングランド人を使わず、ユナイテッドはデ・ヘアが確固たる地位を築いている。

 そしてマンチェスター・シティのジョゼップ・グアルディオラ監督は、ハートを冷淡なまでに見切った。数年前までの彼はシュートストップこそ及第点だったが、攻撃の起点に慣れるようなキック力を有していなかった。育成年代にビルドアップは練習していないのだから、無理もない。キック、スローイングとも「つなげ」ではなく、「距離を出せ」と教えられた世代である。

 こうした状況が改善されないまま、ロシアワールドカップは開幕した。

 今回のGKはエヴァートンのジョーダン・ピックフォード、ストークシティのジャック・バトランド、バーンリーのニック・ポープである。ピックフォードは右足のキックに難点があり、バトランドとポープはシュートストップにこそ優れているものの、キックの質は特筆すべきレベルにない。

1 2 3

新着記事

↑top