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セネガル、ダークホースへの期待。攻守に世界クラスの陣容、日本はどう挑むべきか?【ロシアW杯注目国分析】

2018FIFAワールドカップロシアは連日、熱戦が繰り広げられている。各国がそれぞれの目標を達成するために23選手を選抜し、コンティション調整を続ける中、注目国の状況をチェックする。今回は日本と同じグループHのセネガル。(文:編集部)

text by 編集部 photo by Getty Images

マネの攻撃力に屈強な守備トライアングル

セネガル代表
エースのサディオ・マネ(左)と守備の要カリドゥ・クリバリ(右)【写真:Getty Images】

FIFAランキング:27位(2018年6月)
監督:アリュー・シセ(2015年~)
4大会ぶり2回目の出場
最高成績:ベスト8(2002年日韓大会)
アフリカ予選グループD 1位通過

 今大会、ダークホースとして世界中を沸かせるのは、このチームとなるかもしれない。

 大手ベッティングサイト『ウィリアムヒル』によるオッズでは、優勝が151倍、準優勝が101倍、ベスト4が34倍、ベスト8が9倍、ベスト16が3倍、グループリーグ敗退が1.57倍で、決勝トーナメント進出に懐疑的な結果となっている。

 しかし、今大会に臨む23人のメンバーリストを見ると、守備陣、中盤、攻撃陣と各所に有力な選手が揃っている。過去の大会を見ても、粒ぞろいのチームが波に乗ると大きなサプライズを提供する例は少なくない。

 まず、守備の要となるのはナポリのカリドゥ・クリバリ。身長195cm、体重89kgという巨体のCBから連想されるのは、「スピードや足元の技術に難がある」というものだろう。

 しかし、クリバリはスピードも一級品で足元の技術も非常に高い。さらにはマンチェスター・シティのペップ・グアルディオラ監督をも唸らせたナポリのポゼッションサッカーにおいて、クリバリの貢献度が最も高いとまで言わしめるほどに組織的なプレーにも適応できる。従来のアフリカ系フィジカルモンスターをイメージしていれば、手痛い目に遭わされるはず。

 さらにキャプテンのシェイク・クヤテは抜群の安定感でセネガルの守備を落ち着かせ、ハノーファーでブンデスリーガトップクラスの空中能力を見せたサリフ・サネも名を連ねる。クリバリとクヤテがCBに入り、サネがアンカーに入ると見られるこのトライアングルはそう簡単に崩せるものではない。

 また、中盤に入るイドリサ・ガナ・グエイェは174cmと小柄ながら、労を惜しまないハードワークと強烈なハードタックラーとしてエバートンを支えている。現在、世界最高峰の守備的MFとされるフランス代表のエンゴロ・カンテにも引けを取らない力を持つと言われており、彼の入るセネガルの中盤は相手を自由にさせない強度を持っている。

 そして、その屈指の守備力を盾に相手ゴールを脅かすのはサディオ・マネとケイタ・バルデの両ウイング。特にリバプールに所属するマネは現在のサッカーシーンにおいて、世界トップクラスのサイドアタッカーとして認知され始めている。

 5月26日に行われたレアル・マドリーとのチャンピオンズリーグ決勝では、リバプールは力の差を見せつけられる形で1-3と惨敗を喫したが、唯一マネだけは互角以上に渡り合える存在だった。

 リバプールの左サイドで先発したマネは、マドリーの右SBカルバハルと右CBヴァランの2人に囲まれてもドリブルで突破を決めて見せた。つまり、世界中のどんなDFラインを相手にしても、単独で突破できる力を持つということだ。

 23歳のケイタ・バルデはまだまだ荒削りながら、マネ同様に抜群の突破力を誇るサイドアタッカーで得点力も高い。16/17シーズンはラツィオで31試合出場16得点を記録し、モナコに籍を移した17/18シーズンは怪我の影響で終盤を欠場しながらも、23試合出場8得点を記録している。

強靭かつ強固な守備に鋭いサイドからのカウンターアタックがはまれば、強豪国を相手にしても十分に勝機は見出せるはずだ。

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