クロアチアを“殺した”デンマーク。張り巡らされた数々の策。敗退でも示したその強さ【ロシアW杯】

2018年07月02日(Mon)9時40分配信

text by 海老沢純一 photo Getty Images
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120分を乗り切った見事なペース配分

 前線からのプレスとロングボールによってクロアチアのDFラインは高い位置を取ることができず、全体は大きく間延びする。逆にデンマークは全体をコンパクトに保つことができたため、中盤でもスペースを消してモドリッチとラキティッチの自由を奪った。

 CBから思うようにボールが出ず、全体が間延びしたクロアチアはグループリーグで見せていたようなスピーディーな攻撃が封じられ、まるで別のチームのようにちぐはぐな攻撃に終始してしまった。

 加えてデンマークは、今大会初めて左SBにクヌドセンを起用した。この起用法は、クヌドセンのロングスローから高さを生かす“奇策”を狙ったもの。それは開始直後の記録上1分にヨルゲンセンが決めたゴールにつながる。直後の4分にマンジュキッチのゴールで同点をされたものの、奇襲としては十分な効果を発揮していた。

 また、ハイプレスは体力の消耗が激しいため、ワールドカップという重圧のかかる試合で90分間続けるのは難しいが、デンマークは試合中盤からトレンドとなっているミドルゾーンでの守備に切り替えた。これも効果的で、インターセプトの数を比較すると、クロアチアの10回に対してデンマークは9回だったものの、敵陣で奪った回数はクロアチアが0回でデンマークは5回。デンマークはより良い位置でボールを奪えていた。

 これによって延長戦も疲弊しきることなく乗り越えることができたため、ペース配分も見事だった。その中でもエリクセンは攻撃のキーマンでありながら、120分を通して両チーム断トツトップとなる15.4kmを走破していた。このエリクセンもまた、モドリッチとラキティッチに並んで世界レベルのMFの1人と言える。

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