ハメス以上のトップ下、キンテーロ。日本が救われたボランチへの変更。イングランドの脅威に【西部の目/ロシア W杯】

 日本とともにグループリーグH組を勝ち抜いたコロンビア。そのエースはハメス・ロドリゲスと言われるが、「トップ下」としての能力はフアン・キンテーロが上回る。日本が幸運だったのは、退場者が出たことでキンテーロがボランチへ下がったこと。イングランド戦でもそのテクニックが鍵となる。(文:西部謙司)

2018年07月03日(Tue)15時30分配信

シリーズ:西部の目
text by 西部謙司 photo Getty Images
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ハメスをしのぐ逸材

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フアン・キンテーロは、ハメス・ロドリゲスをしのぐ攻撃的MFだ【写真:Getty Images】

 日本戦で壁の下を抜くFKを決めたフアン・キンテーロは、ハメス・ロドリゲスをしのぐ攻撃的MFだ。トップ下としての能力は、むしろハメスより上ではないかと思う。

 ハメスと同じ左利きの10番タイプだが、キンテーロのほうがクイックなのだ。ハメスも俊敏だが、それ以上にボールコントロールも判断も動きも速い。敵の隙間でパスを受けて、瞬時にコントロールして守備網の弱点をピンポイントのパスでつく、そのプレーにおいてキンテーロはハメスより優れている。ハメスにはキンテーロにない得点力、ワイドでもプレーできる能力があるので比較は難しいかもしれないが、純粋にトップ下で考えればキンテーロではないかと思うのだ。

 日本戦で早々に10人になったコロンビアは、トップ下で先発したキンテーロをボランチに下げた。これはずいぶん助かった。さらに日本の攻撃を防ぐのが先決になったため、守備型のウィルマル・バリオスを投入、ホセ・ペケルマン監督はキンテーロかフアン・クアドラードのどちらかを下げる決断を迫られた。

 ドリブラーのクアドラードのほうが直接的な脅威にもみえたが、クアドラードは1対1を長友佑都に止められ、大迫勇也にもボールを奪われていた。ドリブラーは攻撃の切り札になる半面、勝負に負ければ守備に入れないので裏返しにされてしまうリスクがある。キンテーロからラダメル・ファルカオへのホットラインが切断されても、ボールから前に残るのはファルカオだけだ。攻撃効果だけでなく、リスクを考えるとクアドラードを諦めてキンテーロを残したのは合理的な選択だったのではないか。

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