本田圭佑のカンボジア代表監督就任は「豪州を軽く見ている」のか? 前例なき優遇を正当化するには

2018年08月13日(Mon)11時50分配信

text by 植松久隆 photo Getty Images
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メルボルンとカンボジアの優先順位は?

本田圭佑
本田圭佑は現役選手としては異例の代表監督との兼業に挑む【写真:Getty Images】

 世代間の融合と連携向上を考えれば、オーバーエイジ選手の合流は早いに越したことない。もし、本田が少ない「3枠」を真剣に狙うのであれば、合宿などの国際Aマッチデー以外でのコミットメントが発生し、シーズン中に離脱を余儀なくされることが出てくることも充分に予想される。

 そうでなくとも、Aリーグはレギュラーシーズンが27試合と少ないだけに、何度も離脱されるのはクラブとしても困る。しかし、本田としても五輪を目指すチームでの立場を確実にする意味でクラブを離れざるを得ない状況もあるだろう。となると、それを見越した本田サイドが、そのあたりを事前にすり合わせたうえで契約条項に落としこませようとしても不思議ではなかった。

 しかし、現実は筆者の想像のはるか斜め上をいっていた。現役選手が他国代表のGM(ゼネラルマネージャー)、および監督(に準ずるポジション)に就任すること自体の正当性や、指導者ライセンスの有無の影響などテクニカルな部分は、ここで論じるべきことではない。筆者が豪州フットボールに関わる身として気になるのは、やはりコミットメントの優先順位であり、メルボルン・ビクトリーでのプレーにどの程度影響してくるかといったことに尽きる。

 先日、同業の知人は「彼(本田)に限って、他のコミットメントの影響で、プレー面で集中力を欠いたりということなんてあり得ない」と語っていたし、そう信じたい。それでも、やはり「二足の草鞋」の、その片方に近いところにいる身にすれば、「果たして、本当にAリーグにフルコミットできるのか」という疑問が湧き出るのはしょうがないことだ。

 実際、「カンボジア代表との兼業」を伝えたニュースは、概ね驚きで迎えられたが、そのコメント欄には「なんてこったい。Aリーグも軽く見られたもんだ」「だいたい、そんなことが許されるのか。彼は何もまだ(メルボルンで)成し遂げてないだろう」というような懐疑的な声も散見され、必ずしも、ポジティブなリアクションだけではなかった。

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