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日本代表 5年前

6万人超を「黙らせる」。爆発するU-19日本の攻撃力、完全アウェイで勝ち取る世界への挑戦権

text by 舩木渉 photo by Wataru Funaki

恐れられる圧倒的な攻撃力

原 田川
イラク戦では田川亨介(右)と原大智(左)の長身2トップがスタメン起用された【写真:舩木渉】

 もっとも、今大会で日本が恐れられる理由は十分にある。グループリーグ3試合での13得点3失点は他を圧倒する数字だ。例えば同じように各グループを首位で突破したチームを見てみると、カタールは11得点を挙げたものの7失点しているし、韓国は7得点、サウジアラビアは6得点となっている。日本の攻撃の迫力は、対戦するどのチームにとっても脅威に違いない。

 そして13得点が特定の選手に依存したものではないというのも重要なポイントだろう。日本のスコアラーは8人いる。得点パターンも相手の守備を完全に崩してのものから、強烈なミドルシュートや直接フリーキックまで多岐にわたる。前線の選手たちはどんな組み合わせでも、出場時間が短くても、しっかりとゴールを決められている。誰が出てきても得点を奪えるのは大きな強みだ。

 インドネシア戦でもアタッカー陣の爆発が鍵になるだろう。これまで2トップだけでも様々な組み合わせが試されてきたが、その都度しっかりと結果が出ているだけに、世界への切符を掴み取るには大観衆の中でも「いつも通り」の力を発揮できれば理想的だ。

 グループリーグ初戦の北朝鮮戦は久保建英と田川亨介の2トップでスタートし、後半途中からは久保と宮代大聖のコンビになった。5-2で勝利したこの一戦では、久保が直接フリーキックを決め、宮代も冷静なフィニッシュで初得点と結果を残している。

 第2戦のタイ戦は宮代が先発に抜てきされ、前の試合で左サイドMFに入っていた斉藤光毅が2トップの一角に。前者は2ゴール、後者は2試合連続となるゴールを挙げた。終盤には長身の原大智と宮代がコンビを組む時間もあった。

 5-0で圧勝した第3戦のイラク戦では、先発に原と田川のツインタワーが並び、終盤に斉藤が投入されると原とのデコボココンビに。田川には今大会初ゴールが生まれ、初先発の原も2得点、そして斉藤はチーム内唯一の3試合連続ゴールを達成した。

 システムが4-4-2から3バックにシフトして3-4-2-1的になる場面もあったが、2トップの組み合わせは3試合で6つ試され、それぞれの時間帯でしっかりと結果も出ている。「どこからでも点が取れる」強みと自信は、インドネシア戦でも重要な意味を持つだろう。

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