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香川真司 5年前

香川真司の現状は暗い。それでも…「ここで負けたら自分は終わり」。戦いを放棄せず

text by 本田千尋 photo by Getty Images

「非常に難しい現状ではある」(香川)

 試合後の香川に、満足した様子はなかった。

「まあ、非常に難しい現状ではある。それは自分も把握しているし、日々、練習の中で前向きにやろうと。それはやっぱり、なかなかこういう現状が続くのは非常に難しいというのは正直ありますけど、ただ、そういうところでチャンスを活かせるか、活かせないか。少ないチャンスをね。それは自分自身に掛かっていると思うので、そういう意味では、結果っていう意味では、今日は物足りないですけどね」

「現状」では、チーム内における香川の序列は高くはない。「9.5番」のポジションで言えば、ロイス、マリオ・ゲッツェに次いで3番手の位置付け、といったところだろう。チーム全体で見れば、試合の日にメンバーに入るか入らないかのスレスレの位置にいる。

 この序列を覆すためには、限られたチャンスで「結果」を残さなくてはならない。そういった意味では、ウニオン・ベルリン戦でゴールを決めるなど、とりわけロイス以上のインパクトを残すことはできなかった。この試合のパフォーマンスで、ファブレ監督を説得するのは、難しいかもしれない。

「現状」は決して明るくはない。次のチャンスがいつ巡ってくるかも分からない。
 
 だが香川は、戦うことを放棄しない。
 
「ここで負けたら自分自身は終わりなので、この環境で打ち勝つためにやるしかない」

(取材・文:本田千尋【ドイツ】)

【了】

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