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フランス代表、W杯のその後。オランダに敗戦で「祭りの終わり」、世界王者が直面した現実

text by 小川由紀子 photo by Getty Images

頂点を極めてもなお、終わらぬ戦い

ディディエ・デシャン
フランス代表を率いるディディエ・デシャン監督【写真:Getty Images】

 オランダ戦から4日後のウルグアイとの親善試合にデシャン監督は、「今年最後の試合を勝利で飾って、(オランダ戦での)敗戦から挽回して終えたい」と必勝を掲げた。

 11月20日、0度近くまで冷え込んだスタッド・ド・フランスでの南米の雄との対決では、相手のハンドボールでゲットしたPKをジルーが決めて1-0と、公約は果たした。

 相手のミスからの得点のみと、結果だけ見れば寂しいが、今回初招集のDFファーランド・メンディ、MFトンギ・ヌドンベレのリヨン組が先発、同じくFWアラサン・プレア(ボルシア・メンヒェングラッドバッハ)も終盤ピッチに上がり、W杯では出番のなかったベテランCBアディル・ラミも先発するなど、メンバーを入れ替えた効果もあって、オランダ戦よりグッとも動きも豊富になり、勢いや熱度も高かった。

 前半36分、GKと接触して倒れた際に右肩を痛めたエムバペの症状が懸念されているが、初見ではそれほど深刻ではない様子とのことでひとまず安心だ。

 内容にも満足したと話したデシャン監督も、「まったくプレーできていなかった金曜の試合から奮起できたことがよかった」と、2018年を良い形で締めくくれたことを強調した。

 W杯優勝の後、次の目標(=2020年のユーロ)に向けて新たなレ・ブルーを構築するにあたり、デシャン監督は、「9月から新たな扉は開かれている」と話していた。しかし実際には、今回のネーションズリーグはW杯の主力メンバーで戦った。

 オランダ戦の敗戦で一区切りがついた後のこのウルグアイとの親善試合で大幅にメンバーを入れ替えたのは、次の来年3月の代表戦への布石だろう。「4ヶ月の間にいろいろなことを見直し、分析したい。まず彼らが世界王者たるにふさわしい選手かということ。いまの時点で、そうではない選手も何人かいる」と、「ふるい分け」も示唆したデシャン。

 頂点を極めてもなお、この戦いに終わりはない。

(文:小川由紀子【フランス】)

【了】

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