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全国高校選手権はこうすべき! 高校サッカーから日本代表を生むために。流経大柏・本田監督が語る育成改革論

text by 本田裕一郎 photo by Hiroyuki Sato

テレビ放映にはプラスも

 移動費に関しても、遠隔地のチームは合計22人分の飛行機代が協会から出ているそうですが、全て通常料金。20日頃の開幕に前倒しすれば、年末年始の繁忙期を避けられるし、学校側は追加負担をしなくてよくなるかもしれません。検討の余地は十分にあります。

 もう1つのハードルはテレビ放映ですが、1次リーグ3試合あれば、地元の高校を最低3回は放送できるチャンスが生まれます。今の一発勝負の方がドラマ性やインパクトは大きいのかもしれませんが、視聴者は選手をロクに覚えないまま終わってしまいます。

 同じチームを3回見ることができれば、個人個人を覚えて応援したり、チームの戦い方を分析・検証するといった楽しみも生まれます。テレビ局側にしても選手権の新たな魅力を提示し、新たなファンを掘り起こすいい機会にもなる。局の事情はそれぞれあるでしょうが、前向きな捉え方もできるはずです。

(文:本田裕一郎)

▽本田裕一郎(ほんだ・ゆういちろう)

流通経済大学付属柏高等学校サッカー部監督。1947年静岡県生まれ。順天堂大学卒業後、千葉県市原市教育委員会を経て、75年に市原緑高校サッカー部監督に就任。サッカーとは縁の薄い不毛の地からインターハイに出場する。その後86年に習志野高校に転勤し、福田健二、広山望、玉田圭司らプロ選手を多数輩出する。95年にインターハイで初の全国制覇。2001年より流通経済大学付属柏高等学校の監督を務め、07年に高円宮杯第18回全日本ユースサッカー選手権大会で全国優勝。08年1月の第86回全国高校サッカー選手権大会及び8月のインターハイも制し、3冠を達成した。

【了】

本田裕一郎

『サッカー育成改革論』

 本田裕一郎著
 発売日:12月12日(水)
 定価:本体1600円+税

 高校サッカー三冠を制した流経柏の名将がいま伝えたい真の育成改革案

 今、日本のサッカー界は大きな分岐点を迎えている。日本のサッカー界はプロ化から25年が経ったが、様々なところで検証され、まさに不易流行へと変化していくべきです。良いところは残し、変えるべきところは変えていかなくてはならない。

 真の〝ジャパンズ・ウェイ〟につなげるためにはどうすればいいか。

 本書では、日本でもっともプロ選手を育ててきた流経大柏高校サッカー部の本田裕一郎監督に真の〝ジャパンズ・ウェイ〟につなげるための改善すべき問題をあげながら1つ1つ提言していく。

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