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全国高校選手権はこうすべき! 高校サッカーから日本代表を生むために。流経大柏・本田監督が語る育成改革論

text by 本田裕一郎 photo by Hiroyuki Sato

費用のハードルも乗り越えられる

本田裕一郎
流経大柏の本田裕一郎監督は改革へ向け、開幕の前倒しを考えている【写真:佐藤博之】

 こうした改革をするにあたって、最大の関門は大会期間。1次リーグを中2日で消化するとなると1週間は必要で、決勝トーナメントも含めれば合計2週間以上の日数を確保する必要が出てくるからです。

 ただ、これは開幕を前倒しすることで解決できると私は考えます。

 現在の選手権は「12月30日開幕、成人の日に決勝」というスケジュールですが、高校の冬休みは12月20日頃からなので、そのタイミングからスタートすることは十分可能。1次リーグ3試合は組み込めます。

 そして現在の選手権同様、12月末から決勝トーナメントを中2日ペースでやれば、今年のような8日決勝でも収められる。3学期の始業式が9~10日頃という学校も多いので、この大会日程であれば、授業にも支障は出ない。それが現状で考えられる有効な改善策ではないでしょうか。

「1次リーグ3試合を導入すると、各チームとも最低10日は関東に滞在することになる。その滞在費はどうするのか」と疑問を呈する人もいるでしょう。

 現在、選手権期間にはJFAから選手20人+指導者2人の宿泊費補助が1泊8000円分×滞在日数で出ていますが、1次リーグを導入した際、48チーム分の全滞在費用を協会が負担するとなれば大変なことになります。

 そこは協会と高体連、学校側が話し合って、落としどころを探ればいい。実際、選手権出場校は大会前に御殿場で合宿を張ったり、フェスティバルに参加したりと、準備に相当な費用を投じている。選手権開幕を前倒しされても、学校側の負担はそう変わらないという気がします。

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