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セリエA 5年前

ロナウドは極めて強力、だからこそ浮かぶ懸念。ユーベを追い詰めた相手の緻密な戦術とは?

現地時間26日に行われたセリエA第18節アタランタ対ユベントスの一戦は2-2のドローに終わっている。ユベントスは一時逆転を許すなど苦しい展開を強いられるなか、後半途中にクリスティアーノ・ロナウドを投入。エースのゴールで引き分けに持ち込んだ。背番号7は改めてその力を示した格好だが、アタランタに追い詰められたのも事実だった。(取材・文:神尾光臣【イタリア】)

text by 神尾光臣 photo by Getty Images

ユーベが機能不全に

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ユベントスはアタランタに追い詰められた【写真:Getty Images】

「次節のアタランタ戦で休ませるかもしれない」

 前節のローマ戦後、ユベントスのマッシミリアーノ・アッレグリ監督は、クリスティアーノ・ロナウドの温存を予告していた。これまで公式戦22試合に先発で出場し、交代を命じられたのはフィオレンティーナ戦での残り10分間のみ。これとCLバレンシア戦での退場を除けば、のこりすべてはフル出場だ。

 だがアタランタは、気を抜いて当たれる相手ではなかった。技術とフィジカル両面に優れた若い選手が揃い、監督は優秀な戦術家、そして彼らを支える熱狂的な地元ファン。このベルガモの地で、ユーベは過去2試合に渡って2-2と苦しめられている。そして今回も、大変な試合となった。

 相手のオウンゴールがらみで先制したまでは良かった。だがその後、ペースを相手に譲りわたすうちに守備を崩されて前半のうちに同点。後半は自陣に押し込まれて、退場者も出し、ついに逆転さえ許してしまう。結局はベンチから、C・ロナウドを引っ張りださなければならなくなった。

 最終的にはドロー。「チームのパフォーマンスは非常に良かったし、ドローは素晴らしい結果だ。ただ勝てそうにもなっていた展開だったから悔しい」とアタランタのジャンピエロ・ガスペリーニ監督は語った。17戦1分と圧倒的な戦績を残していたユベントスを、彼らは的確な戦術によって敗北寸前まで追い詰めていた。チームプレーの根幹となる部分を分析し、そこを叩いて機能不全に陥れたのだ。

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