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不調のレアルは復活できるか。モドリッチが示した“原点”、勝利のため愚直に続けたこと

text by 青木務 photo by Getty Images

多くの点でセビージャを圧倒

 データサイト『Who Scored』によると、この日のマドリーはボール支配率69%、パス成功率85%、シュート数23本を記録。一方のセビージャはボール支配率31%、パス成功率70%、シュート数わずか4本だった。90分間ホームチームが圧倒した試合だったが、それはデータからも明らかだった。

 開始早々からマドリーが仕掛けた。1分、右サイドを起点に組み立てると、ルーカス・バスケスのパスに抜け出したカリム・ベンゼマが速いクロスを送る。コンビネーションから早速、攻撃を加速させた。6分には中盤でルカ・モドリッチが突っかけ、ベンゼマが奪ってカウンターを発動。ベンゼマのラストパスに走り込んだヴィニシウスが右足で狙った。

 ヴィニシウス、ルーカス・バスケスという左右のアタッカーが存在感を発揮。彼らが高い位置でプレーすることで、相手のラインを押し下げることに繋がり、セビージャのサイドアタッカーの動きをけん制できた。

 後半もマドリーのペースで進んだが、スコアはなかなか動かせない。67分、ダニ・セバージョスがシュートを放つも、惜しくもクロスバーに阻まれた。ただ、サイドを起点に相手の注意を引きつけることで中央が空くようになっていった。そして78分、カゼミーロが目の覚めるようなミドルを突き刺し、攻め続けたマドリーがようやく試合を動かした。

【次ページ】謙虚さと力強さ
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