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アジア 5年前

アジアカップ決勝T初戦、サウジアラビア代表の危険な4人。日本代表が注意すべき点と対応策

text by 河治良幸 photo by Getty Images

左ウイングの戦術的キーマンとは?

 4-3-3の中盤でアンカーを担うオタイフを機能低下させればサウジアラビアの攻撃は角度のある組み立てができなくなり、横パスと強引なドリブルが増えてボールを奪いやすくなる。しかし、ボールの移動に応じたポジショニングが巧みで、少し長めのパスも織り交ぜられるため、下手に食いついて逆を取られると絶好のチャンスの起点にされてしまうリスクがある。

 日本代表は守備時に4-4-2になるので、前の2枚が相手のセンターバックとアンカーのケアをかねる形になるが、オタイフの動向は常にチェックして限定させながら、ボールの受け手になるタイミングでの的確なチェックをできるようにして行きたい。

 アル・ドサリは右利きの左ウイングだが、組み立てに応じてサイドに張るポジショニング、中に絞って中央に絡みながら、サイドバックのためのスペースを空けるポジショニングを状況に応じて織り交ぜる。サウジアラビアの戦術的なキーマンの1人であり、また危険な仕掛け人でもある。

 基本的には右サイドバックの酒井宏樹がチェックする機会が多くなるが、後ろの組み立てによってはかなりインサイドにポジションを取ってくる。またインサイドハーフのアル・モカウィなどとの細かいパス交換や1トップのアル・ムワッラドと近い距離で絡むコンビネーションも繰り出すので、ブロックの中でうまく受け渡しながら、余裕のある状態でファーストコントロールをさせない様にしたい。

 1トップに張るアル・ムワッラドは一昨年のアジア最終予選の最終戦で途中出場から決勝点をあげた選手で、現在のチームでは押しも押されぬエースとしてピッツィ監督に重用されている。

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